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公開日(日本):2026年10月16日
監督:ブライアン・ダッフィールド
脚本:ブライアン・ダッフィールド/ダニエル・クラウス
キャスト:
ジェイ(オースティン・エイブラムス)
ミット(ジョシュ・ブローリン)
エリザベス・シュー
※本記事には映画『クジラに落ちた男』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
クジラの体内という映画映えしない舞台
クジラの体内という狭い空間がメインなので、非常に映画映えしない物語でしたが、それでも主人公のジェイと父親の関係がフラッシュバックで徐々に展開されていく構成で、最後まで不思議と目が離せない。
狭さのほかに「暗さ」という問題もあるけど、謎に光るクジラの体内や、光るクラゲを使って、鑑賞中は違和感なく完走。
でも、冷静に考えるとクジラの体内って光るの? という疑問は払拭できない(笑)。
オースティン・エイブラムスの演技一本で持たせる映画
主人公のジェイを演じるのは、いま旬も旬なオースティン・エイブラムス。
正直、この人の演技一本で持っている映画な気もします。
一人で海に出て、一人でクジラに喰われ、一人で脱出する。
ほぼずーっと顔のアップなので、逆に長編一本持たせるのが、さすがの一言。
父親との関係が、フラッシュバックで徐々に明らかになる
物語は、海の男である父親が病気に勝つことができず、1年前に海で自殺してしまっていて、遺体は発見されていないので、ジェイは遺骨の1本でも見つけてやろうと単身ダイビングをするというところからスタート。
そうでもすれば、父親は自分のことを認めてくれるだろう、と。
海に入っていく過程で、父親に教わった海に関する知識がフラッシュバックしていき、父とジェイの関係性も徐々に分かっていくという展開。
重要なのは、ジェイは父の死ぬ直前、父と関係を崩しており、遺書を読むことができずにいるということ。
父と分かり合えなかった理由に、少し納得がいかない
父親を演じるのはジョシュ・ブローリン。
オースティン・エイブラムスの出世作『WEAPONS/ウェポンズ』では、頑固でアメリカ的な父親を演じているけど、こちらでも同じく、頑固で良くも悪くも男臭い父親を演じている。
大学進学で息子が地元を出ていくという寂しさを父が感じている、という描写があるものの、関係が崩れてしまった決定的な出来事がちょっと納得いかない。
というのも、イヌイットというのはクジラとうまく共生していて、クジラを一頭殺すとタトゥーを入れるんだ、と父が語る。
だからお前も顔にそのタトゥーを入れろ、とジェイに迫るシーンがある。
病気も末期なのでジェイは簡単に父をねじ伏せるのだけど、せっかく分かり合おうと話していたのに……と、ジェイは父から離れてしまう。
父とジェイの関係が崩れた、という描写はここしかなく、基本的には厳しく頑固な父親ながらもうまくやっていた、というシーンが多かったので、遺書を読めなくなるほどだろうか? と感じる。
父は常に酒を飲んでいるので、酒が原因なのか、イヌイットを崇拝する思想や宗教的な問題なのか分からず、もう少し、なぜ父と分かり合えないのかを見てみたかったようにも思う。
遺書の内容よりも、オースティン・エイブラムスの表情がすごい
クジラの体内で奮闘し、脱出するという極限状態の中で、クジラを通して父と分かり合い、脱出後、遺書を読むことができました、という結末。
ただ、遺書の内容は明かされない。
でも、この時のオースティンの顔、演技が最高に良い。
手紙の内容を見たかったなあと思う反面、それを超越するくらい演技もすごいなと感心。

