『ボーはおそれている』あらすじと考察(ネタバレあり)

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『ミッドサマー』『ヘレディタリー 継承』の鬼才アリ・アスター監督と『ジョーカー』『ナポレオン』の名優ホアキン・フェニックスがタッグを組んだ、オデッセイスリラー。

共演は『プロデューサーズ』のネイサン・レイン、『ブリッジ・オブ・スパイ』のエイミー・ライアン、『コロンバス』のパーカー・ポージー、『ドライビング・MISS・デイジー』のパティ・ルポーン。



『ボーはおそれている』作品概要


公開日(日本):2024年2月16日

監督:アリ・アスター

キャスト
ボー・ワッセルマン(ホアキン・フェニックス)
ロジャー(ネイサン・レイン)
グレース(エイミー・ライアン)
セラピスト(スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン)
ペネロペ(ヘイリー・スクワイアーズ)
ジーヴス(ドゥニ・メノーシェ)

トニ(カイリー・ロジャーズ)
少年時代のボー(アルメン・ナハペシャン)

若き日のモナ(ゾーイ・リスター=ジョーンズ)
エレイヌ(パーカー・ポージー)
モナ・ワッセルマン(パティ・ルポーン)

『ボーはおそれている』あらすじ

不安症のボーは、セラピストのカウンセリングを受けいる。

明日はボーの父親の命日で、数カ月ぶりに母親のモナと会うことになっている。

翌日、家を出ようとするも、忘れ物を取りに行っている間に鍵と荷物を何者かに盗まれてしまう。

ボーはひとまずセラピストにもらった薬を飲むも、「絶対に水と一緒に飲まなければいけない」と念を押されたにもかかわらず、水道から水が出てこない。

近くの店まで水を買いに行く間に施錠していないボーの部屋に次々と人が入っていき、ボーの部屋をめちゃくちゃにしてしまう。

翌日、誰もいなくなった部屋に戻るりモナに電話すると、知らない男性が電話に出て、モナは落ちてきたシャンデリアが直撃し死んでしまったという。

ボーは入浴すると、天井に男が張り付いていて、ボーへと降りかかってくる。

部屋から飛び出し警察に訴えるも、素っ裸のボーを見た警官はボーを不審者だと思い拳銃を取り出す。

警官から逃げたボーだったが、車に跳ねられ意識を失ってしまう。

ボーはティーンネイジャーの女の子のベッドで目を覚ます。

医者のロジャーとグレース夫婦が車に轢かれたボーを助け、娘のトニのベッドに寝かせてたのだ。

自分が帰らないとモナを埋葬できないと焦るボーだが、ロジャーは何かと言い訳を付けてボーを送ろうとしない。

グレースがロジャーにバレないようにテレビを付けろとこっそりボーに言うと、隠しカメラで自分が映し出されていて、巻き戻しや早送りができる。

トニは亡くなった兄の部屋をペンキで塗るのを手伝えとボーに迫り、ボーが断るとペンキを飲んで死んでしまう。

グレースは怒り狂い、戦争で精神を病んでロジャー家に住んでいるジープスがボーを追いかけてくる。ボーは逃げ出すが、走っているうちに木に頭を打って気絶しまう。

ボーが目を覚ますと森の中で妊婦のペネロペと出会い、ボーを自分のコミュニティに連れて行き皆に紹介する。

そのコミュニティは森から森へ移動している演劇集団で、夜になるとボーは演劇を見る。

演劇は父と母を亡くした男性の葛藤が描かれていて、いつの間にか主人公はボーに替わっている。

演劇の中でボーには3人の子供がいるが、洪水がきっけで離ればなれになってしまう。ボーは老人になるまで様々な経験をするが、ある時森にたどり着くと3人の男が演劇をしている。その男たちはボーの子供たちで再会を喜ぶが、ボーは子供たちに自分は童貞だということを明かします。

子供たちはではなぜ自分たちが生まれたのか疑問を抱くが、そこにジプシーがやってきてコミュニティをめちゃくちゃにしてしまう。

ボーは逃げ出し、ヒッチハイクをして家にたどり着く。

すでにモナの埋葬は終わっていたが、モナの会社で働くエレインが葬式にやってくる。エレインはボーが子供の時に出会い、将来恋人になろうと約束した女性だ。

ボーはモナの寝室でエレインとセックスするが、エレインは石造のように固まって死んでしまう。

するとモナとセラピストが現れる。

モナはボーが何かと言い訳を付けて帰ってこないのだと思い怒っていて、これまですべての出来事がモナによる仕込みだったことが判明する。

ボーは双子の兄弟がモナによって屋根裏に閉じ込められてしまう、という夢をよく見ますが、それが現実に起こったことなのかずっと気にかかっていた。

モナはその屋根裏にボーを閉じ込めてしまう。

屋根裏には年老いてボロボロになった兄弟と、亡くなったと聞かされていた父(巨大な男根の形のモンスター!)がいる。

そこにまたしてもジプシーが襲撃してくるが、ジプシーはモンスターに殺されてしまう。

ボーは屋根裏から逃げ出すと置いてあったボートに乗り込む。

ボートがたどり着いた先は壁に囲まれた建物で、多くの人がボーを取り囲み見ている。

するとモナや裁判官がいてボーを裁く裁判が始まり、小さいころから現在に至るまでのボーの過ちを暴露し始める。

最初はボーを擁護する弁護人もいるが、すぐに殺されてしまう。

結果ボーは有罪となり、ボートのエンジンが爆発してボーは水の中に沈んでしまう。

『ボーはおそれている』考察

架空の会社【M.W.】のロゴ

本編が始める前に配給会社や製作会社のロゴが登場しますが、その中に「mw」というロゴも登場します。

MVというのはボーの母親のモナが社長を務める会社の名前です。

物語のラストで、ボーの人生はモナによって支配されていたことが分かりますが、モナが支配しているのはボーの人生だけでなく、映画そのものだったということを意味しています。

ユダヤ人版「ロード・オブ・ザ・リング」

アリ・アスター監督が本作をユダヤ人版「ロード・オブ・ザ・リング」と語っている通り、本作は日本人にあまりなじみのないユダヤ人に関する物語になっています。

監督自身もユダヤ系の家系であり、同じくユダヤ系のウッディ・アレンやコーエン兄弟を自身のヒーローだと言っています。

ボーの住む街は治安が悪く、想像できるすべての不安が現実となりボーに襲い掛かります。

これは母親のモナが祖父や父親はセックスをしたため死に至ったという嘘でボーを脅していたため、ボーは不安症になってしまい、冒頭でボーに襲い掛かる不幸は全てボーの妄想だと考えられます。

モナに同じCDを何度もプレゼントしてしまうのも、脅しが原因で精神に異常をきたしてしまっているのが原因です。

ユダヤ教には様々な戒律がありすぎるため、普段の生活の中でも戒律を破ってしまうかもしれないという不安が表現されていると考えられます。

ボーが何もしていないのに不幸に見舞われるというのは、旧約聖書的にみるとヨブ記が考えられます。

ヨブ記では家族や財産に恵まれ信仰にも熱心なヨブが、信仰に熱心なのは家族や財産に恵まれているからかもしれないと神様に考えられてしまいます。

そこで神様はヨブの家族や財産を奪っても信仰は捨てないのか?とヨブを試すという物語です。

ヨブは家畜や家族、財産を次々と奪われ災難に見舞われ続きますが、決して信仰は捨てません。

ヨブは災難に見舞われる中、友人たちに相談しますが、友人たちはどこかでヨブが戒律を破っているのだとヨブを批判します。

最終的にヨブの信仰は認められ、元より多くの財産を与えられます。

ユダヤ人はエジプトで奴隷になっていたり、ホロコーストでの大量虐殺があったりと、悲惨な歴史を辿っています。

自分たちが悲惨な目に合うのはユダヤ教の教えをどこかで破っているからではないかと、ユダヤ人たちは考えます。

しかし現代では特に戒律を守るのは不可能であり、ユダヤ人は常にボーのように恐れているのです。

父親はなぜ男根のモンスターなのか?

ボーの父親が男根の形をしているのは、モナはユダヤの系統を守ることが最優先なので、男は子供を作るための道具だと考えているからです。

ユダヤ人の定義はユダヤ人の母を持つものとされており、母系の社会です。

そのためユダヤ人の母親は子供の結婚相手を厳しく選びます。

ボーがエレインとセックスするとエレインは死んでしまいますが(土どういう仕組みなのかは不明)、エレインはユダヤ教ではないためボーの結婚相手としては認められないのです。

ボーはなぜ殺されてしまうのか

ヨブは家族や財産を取り戻したのに対して、ボーは最終的にボートから落とされて死んでしまいます。

これはボーがユダヤ教の戒律を破ったからだと考えられます。

ユダヤ教では母親が亡くなった場合、喪に服するため入浴してはいけませんが、電話でモナが死んだと知ったボーがまずとる行動が入浴です。

ロジャー一家と食事をするときもリスト教の祈りをささげてしまっていますし、偶像崇拝を固く禁じられたユダヤ教ですが、ボーは白いマリア様の銅像を大事そうに握りしめています。

トニの部屋はK-POPアイドルのポスターが飾られていますが、誰かを崇拝している人物の家に泊まることはユダヤ教の戒律では禁止されています。

ロジャー一家に助けられたときにボーが刺されたのは脇腹と手ですが、これはイエス・キリストが刺された場所と同じです。

ロジャーの家で丸二日寝てしまうボーですが、イエス・キリストが処刑して復活するのは二日後です。

ボーの父親と思わしき人物の写真は何かを金づちで叩いていますが、イエス・キリストの養父であるヨセフは大工です。

イエス・キリストはユダヤ人で在りながらユダヤ教を批判したとして処刑されてしまいますが、ボーもまたユダヤ教の教えを破ったから裁判にかけられ殺されてしまったのだと考えられます。

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