『瞳をとじて』あらすじと考察(ネタバレあり)

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『ミツバチのささやき』『エル・スール』で知られるスペインの巨匠ビクトル・エリセによる31年ぶりの長編作品。

元映画監督と失踪した人気俳優の記憶をめぐって繰り広げられる物語を描いたヒューマンミステリー。

『コンペティション』のマノロ・ソロが映画監督ミゲル、『ロスト・ボディ』のホセ・コロナドが失踪した俳優フリオを演じ、『ミツバチのささやき』で当時5歳にして主演を務めたアナ・トレントがフリオの娘アナ役で出演しています。

 



『瞳をとじて』作品概要


公開日(日本):2024年2月9日

監督:ビクトル・エリセ

キャスト
ミゲル・ガライ(マノロ・ソロ)
フリオ・アレナス/ガルデル(ホセ・コロナド)
アナ・アレナス(アナ・トレント)

シスター・コンスエロ(ペトラ・マルティネス)

ベレン・グラナドス(マリア・レオン)
マックス・ロカ(マリオ・パルド)

マルタ・ソリアーノ(エレナ・ミケル)
ティコ・マジョラル(アントニオ・デチェント)

フェラン・ソレル/ミスター・レヴィ(ホセ・マリア・ポウ)
ドクター・ベナビデス(フアン・マルガージョ)
チャオ・シュー(ベネシア・フランスコ)

『瞳をとじて』あらすじ

1990年、映画『別れのまなざし』の撮影中、主演のフリオ・アナレスが失踪する。

映画の舞台は1947年、娘のチャオ・シューと生き別れになった”悲しみの王”が、フリオ演じるフランクに上海にいる娘を探し出すよう依頼するものだった。

近くの崖から揃えられた靴が発見されたことから、警察は投身自殺だと判断するも遺体は上がってこなかった。

時はたち2012年、マドリードーー

フリオの失踪がドキュメンタリー番組『未解決事件』に取り上げられることになり、『別れのまなざし』の監督でありフリオの親友のミゲル・ガライはリポーターのマルタからインタビューを受けることになる。

ミゲルはインタビューに協力するため、撮影仲間であったマックスから撮影フィルムを受け取り番組に提供し、フリオの娘のアナとフリオとミゲルのかつての恋人であるロラにインタビューに出演することを報告する。

ゴシップ誌の噂では女性関係で何かあったのではないかとか、老いには逆らうことが出来ず、現実から姿を消し映画の中だけの存在になりたかったのではないかなどと憶測が飛び交うが、これといった決定打は出てこない。

番組への協力が終わるとミゲルは犬と仲間が待つ海辺の自宅へと戻り、食事を共にする。放送当日には一度は番組を見ようとするも結局見ることはなかった。

しかし、翌日番組を見たという人からミゲルに電話がかかってくる。フリオに似た人物が海辺の高齢者施設にいるというのだ。

高齢者施設ではベレンがミゲルを迎えてくれ、ミゲルはその男の様子を見るために何泊かすることになる。

その男は過去の記憶を失っており、施設のシスターたちはガルデルと名付けていた。

フリオに間違いないと確信したミゲルはアナも呼び、2人で話をするもフリオは記憶を呼び戻すことはない。

フリオはマックスを呼び、未完成の『別れのまなざし』のラストシーンのフィルムを持ってきてもらう。近くの映画館でフリオに観てもらうことで、記憶が戻るかもしれないと考えたのだ。

映画のラストシーンではフランクが悲しみの王の元へチャオ・シューを連れて帰る。しかし悲しみの王は病で瀕死の状態で、チャオ・シューは悲しみの王を膝の上で看取る。

映画を観たフリオはそっと目を閉じるのであった。

『瞳をとじて』考察

映画館で観る映画の力

記憶を亡くし、親友や娘のことを思い出せないフリオですが、水兵時代に習ったロープの結び方や好きな歌は覚えています。

では自分が出演した映画はどうだろうか?

映画の力を信じるという意味で、ミゲルと本作の監督であるビクトル・エリセが重なります。

ミゲルが『別れのまなざし』以来映画を撮っていないという点も、31年ぶりの長編作品となりしばらく映画から離れていたビクトル・エリセと共通します。

記憶(魂)を呼び戻すことが出来るのは、歌でもなく血でもなく映画なのだという想いが込められているように思います。

皆を集めて映画を観ようとなった途端、「あなたはここに座って。あなたはここに。」と演出家的になるのは、ミゲルが映画の力で監督としての魂を思い出したからではないでしょうか。

庭の彫刻「ヤヌス神」

『別れのまなざし』の悲しみの王が住む庭には2つの顔が正反対を向いた彫刻が置かれており、エンドロールでもその彫刻が強調されていました。

これはローマ神話に登場するヤヌス神の彫刻で、ヤヌス神は扉を閉じたり開いたりする神様です。

January(1月)の語源でもあり物事の始まりの神様でもあります。

フリオが失踪してしまったことにより、映画はとん挫=扉は閉められてしまった。と考えられますが、エンドロールでヤヌス神が協調されるということは何かが始まったということを意味しています。

ラストシーンで自分が出演した映画を観て目を閉じたフリオ。

フリオが記憶を取り戻したかどうかは観客にゆだねられたように思いますが、ヤヌス神が意味することは記憶を取り戻したとも考えられます。

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