『君の名前で僕を呼んで』『ボーンズ アンド オール』のルカ・グァダニーノ監督が『DUNE デューン 砂の惑星』『スパイダーマン』シリーズのゼンデイヤを主演に迎え、2人の男を同時に愛するテニス界の元スター選手と、彼女の虜になった親友同士のテニス選手の10年以上にわたる愛の物語を描いたラブストーリー。
『ゴッズ・オウン・カントリー』のジョシュ・オコナーがパトリック、『ウエスト・サイド・ストーリー』のマイク・ファイストがアートを演じた。
『チャレンジャーズ』作品概要
公開日(日本):2024年6月7日
監督:ルカ・グァダニーノ
キャスト:
タシ・ダンカン(ゼンデイヤ)
パトリック・ズワイグ(ジョシュ・オコナー)
アート・ドナルドソン(マイク・ファイスト)
『チャレンジャーズ』あらすじ
2019年――
プロのテニスプレイヤーとして6回のグランドスラムでの優勝を誇るアート・ドナルドソンは、USオープンでの優勝を逃してからスランプが続いている。
アートの妻でコーチのタシ・ダンカンはアートの自信を取り戻すため、ニューロシェルで開催されるチャレンジャーズ大会にアートをエントリーする。
一方でテニスプレイヤーとしてどん底で、ホテルに泊まる金もなく、車内で寝泊まりをするパトリック・ズワイグは、再起をかけてチャレンジャーズ大会に参加する。
共に決勝まで駒を進めた2人。この2人にはタシを巡って、過去に因縁があったのだ――。
13年前――
寄宿制のテニススクールで出会ったアートとパトリックは、ファイヤー&アイスと呼ばれるほどの実力者でジュニアのダブルスの大会で優勝を果たす。
一方でタシの活躍は彼らよりもさらにすさまじく、その美しさと相手を圧倒するプレースタイルで周りを魅了していた。
タシの試合を観たアートとパトリックは同時にタシに恋に落ち、大会中のパーティーでタシをナンパする。
3人はテニス談義で盛り上がり、ホテルで熱い一夜を過ごす。
翌日はシングルスでのアートとパトリックの決勝戦。
タシは2人からの同時アプローチに「決勝で勝ったほうと付き合う」と約束し、優勝したパトリックと付き合うことになる。
大学に上がってもアートとパトリックの関係は変わらず、アートはパトリックに「タシと”やった”ならオレのサーブの真似をしてみろ」と迫り、パトリックはアートの真似をしてみせる。
しかし、パトリックもタシもお互いに主導権を握りたがるがあまり、些細なことで大喧嘩をしてしまう。
タシは試合中に選手生命を絶たれるケガをしまうが、喧嘩中のためそばにいなかったパトリックをタシは責め、2人は破局してしまう。
1年後、プロになったアートはタシと再会し、コーチになってほしいと依頼する。
タシとアートは二人三脚で歩むようになり、結婚し娘を授かる。
チャレンジャーズの大会中――
決勝にコマを進めた、アートとパトリックはサウナで再会する。
わだかまりが解けていない2人は口撃し合うことで心理戦を展開する。
一方でタシもパトリックと再会する。
パトリックはタシに自分のコーチになってほしいと願いでるが、タシはこれを拒否。
しかし、決勝を前に引退をほのめかすアートを目の当たりにし、パトリックに決勝で負けてほしいと持ち掛け、タシとアートは車内でセックスをする。
決勝戦、パトリックとアートはお互いの持ち味を出し、接戦を繰り広げるが、やはり実力はアートが上回りマッチポイント。
パトリックはタシと付き合っていたころの”やった”のサインをアートに見せる。
怒りで困惑したアートは取り乱してタイブレークに突入。
一進一退の攻防が続くなか、ボールはネット際に飛びあがり、ボールを追った二人は抱き合う形となる。
それを見たタシは「come on!」と叫び歓喜するのだった。
『チャレンジャーズ』考察
テニスの心理戦とコート外での心理戦
どのスポーツにも言えることですが、特にテニスでは特にどちらが精神的優位かということが重要なスポーツです。
ラケットを壊す行為も反則ではありますが、いったん怒りをぶちまけ落ち着くためという見かたもあるのです。
そして本作ではコート以外での心理戦が多く描かれています。決勝前のサウナのシーンではパトリックもアートもお互いに”口撃”を仕掛けます。
ここで注目したいのが、口撃するときに流れるBGMにテニスの試合中と同じBGMが使われているということです。
思えば3人の出会いは勝ったほうがタシと付き合うというものであり、テニスで勝つ=私生活で優位に立つということから始まっています。
チャレンジャーズ大会直前ではパトリックはホテル代も払えないほど落ちぶれていて、優位性はアートにあります。
注目したいのは、タシとアートが夫婦そろって務める広告のキャッチコピー。
タシは「GAME Changer」というものを「GAME Changer”s”」に変えるよう校正し実際に「GAME Changer”s”」の広告が打ち出されます。
テニスの試合もコート外でも、タシという存在が状況を変えるということが示唆されているのです。
ルカ・グァダニーノ監督による同性愛の示唆
『君の名前で僕を呼んで』で17歳の少年と大学生の同性愛を描いたルカ・グァダニーノ監督。
自身も同性愛者であり、本作ではアートとパトリックの恋愛感情とも言えぬ微妙な関係が描かれています。
特にパトリックのシーンは同性愛を示唆する場面が多く、バナナやチュロス、ホットドッグなどわかりやすい食べ物を性的に食べるシーンが描かれます。
またチャレンジャーズ大会の控室で裸の男たちを眺めるシーンや、マッチングアプリでスワイプしていく際に男の写真で一瞬手が止まる……など明らかにパトリックはバイセクシャルとして描かれています。
そして2人の関係を引き出したいのがタシです。本作ではタシによって引き出される2人の関係が描かれています。
タシの願いは【素晴らしいテニスを見ること】
ジュニア時代のパーティでタシにとってテニスとは相手との関係性だと語っています。
タシにとってのテニスは相手を圧倒するものであり、攻撃的で試合に勝った際には雄たけびを上げています。
パトリックと付き合いだしたシーンでもわかるように、セックスをする際にも主導権を握りたがります(下ではなく上に乗りたがる)。
しかしパトリックも主導権を握りたいタイプで口論になってしまいます。
最高のテニス=最高の人間関係
タシのもう一つの願いはセリフからもわかる通り、最高のテニスを見ることです。
ケガで自身がプレーできなくなってしまった代わりにアートの最高のテニスが見たいとタシは願っています。
しかし、タシにとってのテニスとは人間関係でもあります。
最高のテニスを観るというのは、タシにとっては最高の人間関係を見るということです。
パーティの夜、3人でキスをしながらタシはそっと身を引き、パトリックとアートがキスするところを嬉しそうに見ています。
チャレンジャーズの大会にアートを参加させたのは、パトリックと再会できるからタシの計算があったからかもしれません。
決勝前にパトリックと寝たのはアートの魂を震わせ、最高のプレーを引き出すためだったとも考えられます。
最高のテニスと最高の人間関係が見れたからこそ、「come on!」というセリフで映画は幕を閉じるのです。
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