映画『首』考察・感想(ネタバレあり)

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北野武が監督・脚本を手がけ、「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで活写した戦国スペクタクル映画。

武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す。

織田信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。

信長は明智光秀や羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。

秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。

実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。

北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀を西島秀俊、織田信長を加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じる。



『首』作品概要


公開日(日本):2023年11月23日

監督:北野武

キャスト
羽柴秀吉(ビートたけし)
明智光秀(加瀬亮)
難波茂助(中村獅童)
曽呂利新左衛門(木村祐一)
荒木村重(遠藤憲一)

斎藤利三(勝村政信)
般若の佐兵衛(寺島進)
服部半蔵(桐谷健太)
黒田官兵衛(浅野忠信)

羽柴秀長(大森南朋)
安国寺恵瓊(六平直政)
大竹まこと(間宮無聊)
為三(津田寛治)
清水宗治(荒川良々)
森蘭丸(寛一郎)
弥助(副島淳)
徳川家康(小林薫)
千利休(岸部一徳)



『首』考察・感想

愛憎劇をメインとした「本能寺の変」

明智光秀が謀反を起こし、織田信長を襲撃するという日本人なら誰もが知っている「本能寺の変」ですが、その発端の説は80以上あると言われています。

『首』では”愛憎劇”がきっかけとして描かれており、男同士の愛が発端の一つとなっています。

織田信長はいろんな意味で「かわいがっていた」荒木村重に謀反を起こされ躍起になっています。

明智光秀が荒木村重を匿うのは恋仲にあったからで、織田信長に謀反を起こすのも荒木村重が一つの理由となっています。

実際に戦国時代には「衆道」という、主君と小姓の間での男色の契りがありました。武田信玄も上杉謙信も徳川家康も男の恋人がいたという記録が残っています。

「衆道」は肉体的だけでなく精神的な結びつきを特に重視していて、男色は絶対服従の関係・絆を築く一種の儀式という認識もあったようです。

『首』でも描かれていましたが、実際に織田信長は森蘭丸と関係があったようで、「愛憎劇説」はあながち間違いではないのかもしれません。

武士から「武士道」が取り払われた戦国時代

戦国時代の大河ドラマで描かれる武士と言えば、かしこまった言葉でしゃべり、筋は貫き通すというイメージで描かれることが多いですが、『首』ではだいぶカジュアルな戦国武将たちが描かれていました。

北野監督はアドリブが多いと、多くのTVやインタビューで語られていますが、アドリブがゆえの「間」がとにかく多く、私が観た劇場ではかなり笑いが起こっていました。

これまでの北野武作品では、アーティスティックなカットやサディスティックな暴力表現が全面に押し出されていましたが、『首』では長年TVを作りつ続けてきた「芸人ビートたけし」の芸風がかなり感じられる作品となっています。

本作が面白いと感じるかつまらないと感じるかは、そこを許容できるかできないかがかなり大きくかかわってくるのではないかと感じました。

冗談を言い合っている武将たちを見ていると、戦国時代だからと言って冗談は言い合っていただろうなぁと変なところでリアリティを感じてしまいます。

芸能界の縮図?

権力を手にした織田信長のパワハラとセクハラに耐えれば、跡目を譲ってもらえるかもしれない。というのは、現代でも似たようなことが問題視されてるように思えます。

男色を全面に描いたのは、某アイドルグループの性的加害問題があったからなように感じてしまいます。

耐えた先に褒美があればまだ良かったのかもしれませんが、耐えた先に何もないということが分かってしまうと裏切りが起こるというのは今も昔も変わりません。

また、北野監督はインタビューでも答えている通り、芸能界は裏切り裏切られの連続だと語っています。

北野武 裏切り裏切られた芸能生活(Yahoo!ニュース)

織田信長は頑張りしだいでは跡目を譲るとうそぶきながら家臣たちを裏切り、武将にあこがれる難波茂助(中村獅童)も友人を裏切ることでのし上がっていこうと気を張ります。

曽呂利新左衛門(木村祐一)も途中までは素直に働きながらも、戦況が五分五分と見るや否やどこかへ逃げて行ってしまいます。

明智も愛していたはずの村重を匿っていたことがばれると具合が悪くなる状況になると村重を殺してしまいます。

しかし、その後天下を取る秀吉と徳川家康だけは、誰かを裏切る描写が描かれていないのが面白いところ。

頂点に立つというのは誰かを裏切るのではなく、多くの人から信頼されてこそなのかもしれません。

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