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映画『教皇選挙』とは?基本情報とキャスト
第95回アカデミー賞で国際長編映画賞ほか4部門を受賞した「西部戦線異状なし」のエドワード・ベルガー監督が、ローマ教皇選挙の舞台裏と内幕に迫ったミステリー。
ローレンス枢機卿を「シンドラーのリスト」「イングリッシュ・ペイシェント」の名優レイフ・ファインズが演じるほか、「プラダを着た悪魔」のスタンリー・トゥッチ、「スキャンダル」のジョン・リスゴー、「ブルーベルベット」のイザベラ・ロッセリーニなど豪華俳優陣が出演。
第97回アカデミー賞で作品、主演男優、助演女優、脚色など計8部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した。
公開日(日本):2025年3月20日
監督:エドワード・ベルガー
ローレンス枢機卿:レイフ・ファインズ
ベリーニ枢機卿:スタンリー・トゥッチ
トランブレ枢機卿:ジョン・リスゴー
ベニテス枢機卿:カルロス・ディエス
※本記事には映画『教皇選挙』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
コンクラーベは現代の「ライアーゲーム」|映画のあらすじ(ネタバレ含む)
物語は現教皇の死から始まり、密室で行われる「教皇選挙=コンクラーベ」の様子が描かれる。
選挙の舞台は、外部との接触が完全に遮断されたシスティーナ礼拝堂。世界各国から集まった枢機卿たちの駆け引きがスリリングに展開される。
中学校の先生が「コンクラーベは“根競べ”だ!」と語っていたのがまさにぴったり。
2/3の得票を得るまで終わらない選挙戦は、まるで心理戦ゲームのような緊張感。
各陣営の思惑と伏線|宗教と政治、信仰と現実の交差点
『教皇選挙』という映画タイトルの通り、物語の中心は「誰が教皇になるか」だが、その裏には宗教の権力構造や信仰の葛藤が濃厚に描かれている。
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過激化するイスラム教に対して戦う姿勢を見せるべきという保守派:テデスコ
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初のアフリカ人教皇になろうとしリベラルの象徴となるもスキャンダルで失脚した:アデイエミ
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中道派で穏健、しかしアデイエミを陥れるなど裏工作の疑いもある:トランブレ
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礼拝堂に遅れて現れたイスラム教の中心国・アフガニスタンの枢機卿:ベニテス
- 表では教皇にはなりたくないと言いながらも、いざ選挙が始まり自分に票が集まっていないと焦りを隠せない:ベリーニ
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そして主人公・信仰に迷いを抱えるローレンス
世界14億人いるとさえれているカトリックを束ねる教皇には、私利私欲があってはならならず、教皇になりたいと願うことは私利私欲の現れであり、願わないということは票集めの工作が出来ない。
それぞれの人物像が繊細に描かれ、観る者に問いを投げかけてくる。
ビジュアルと空間表現が語る「カトリックの家父長制」
美しいはずの礼拝堂が、赤い衣装で埋め尽くされていく様は、カトリックの家父長制を象徴しているようにも見える。
広そうに見えてどこか狭苦しさを感じる建物。枢機卿たちの衣装である赤(緋色)一色に染まる画面の隅に、紺色のシスターが静かに存在している構図はまさに「教皇は男しかなることが出来ない」という家父長制度の象徴している。
しかし、物語に一石を投じるのはシスターのリーダーであるアグネス。
トランブレがアデイエミを陥れた証拠がなかなか出てこない中放つセリフは、これまで端に追いやられていた女性が放つ最大の攻撃であり、痛快だ。
さらに均衡に見えて微妙に偏りのあるカットも絵画のように美しいが、観ていて不安な気持ちにさせられる。
アップのカットも多く、主人公ローレンスの信仰心の迷いや、つかの間のプライベートの表情を映し出し、キャラクターへの共感も強く感じることが出来るようになっている。
クライマックスと驚愕のラスト|すべてが伏線だった!
選挙が進むにつれ、ローレンスは筆頭候補に。
だが教皇に選ばれたのは、戦地アフガニスタンで布教を続けていたベニテス枢機卿。
彼は**「私利私欲にまみれた空間にはいられない」**と演説し、皆の心を掴む。
その演説の重みが、すべての登場人物と観客に突き刺さる。
しかし、彼には秘密があった——外見は男性ながら、子宮を持つ存在だったのだ。
前教皇とそのことを共有していたものの、手術せず「ありのまま」でいることを選んだ。
この衝撃の事実に言葉を失うローレンス。教皇は男しかなれないというルールの全てが覆される。
しかし、カメを元に戻すシーンが映し出される。これは、彼の信仰心が戻った象徴ではないか?
そして最後、白い服を着たシスター3人が笑顔で扉を出てくる。
これまで“端役”だった女性たちに光が当たり、未来への希望を感じさせるラストだ。
『教皇選挙』はなぜ観るべきか?|まとめと個人的評価
『教皇選挙』は、ただの宗教映画ではない。
現代社会の分断・権力・信仰・ジェンダーの問題を、密室劇という極限状態の中で描ききった傑作だ。
2025年、これ以上の映画に出会えるだろうか?
『ANORA アノーラ』も素晴らしい映画だったがアカデミー賞という意味では本作のほうがふさわしい作品だと強く思う。
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