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「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督がロバート・パティンソンを主演に迎え、エドワード・アシュトンの小説「ミッキー7」を原作にブラックユーモアたっぷりに描いたSFエンタテインメント。
共演は「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」のナオミ・アッキー、「NOPE ノープ」のスティーブン・ユァン、「ヘレディタリー 継承」のトニ・コレット、「アベンジャーズ」シリーズのマーク・ラファロ。
公開日(日本):2025年3月28日
監督:ポン・ジュノ
キャスト:
ミッキー・バーンズ:ロバート・パティンソン
ナーシャ:ナオミ・アッキー
ティモ:スティーブン・ユァン
カイ・キャッツ:アナマリア・バルトロメイ
イルファ:トニ・コレット
ケネス・マーシャル:マーク・ラファロ
ドロシー:パッツィ・フェラン
アーカディ:キャメロン・ブリットン
西暦2025年、地球は環境汚染や気候変動で住みにくくなっていて、宇宙開発が進み植民地惑星への宇宙船が次々と地球から出発している。
同時に技術が進んでいるのが人体複製(人体プリンティング)。
スキャンした身体は何度でもプリントすることが可能で、定期的にアップデートされた記憶のデータをインストールすることで、スキャンされた人間は何度でも蘇ることができる。
しかし、倫理観の問題や人体複製を利用した犯罪が発生したことから地球では法的に禁止になり、植民地惑星への向かう宇宙船に1人だけ乗せることができるというルールになっている。
ここで使い捨て人間(エクスペンダブルズ)として契約してしまうのが、どん底の借金生活を送るミッキー・バーンズ。
今の生活よりはマシ、と借金取りから逃げるため契約書をろくに読まずに宇宙船に乗り込むが、待ち受けているのは過酷な労働や人体実験だった……
ここまで書くと少し複雑なSF作品というイメージだけど、視覚的でテンポがよく、設定がスッと入ってくる。説明される前からそうだった気さえしてくるくらいに。
ポン・ジュノ監督作品はどの作品も格差や資本主義の問題など、社会風刺が効いたものとなっているけど、やり過ぎずエンタメ作品として見事に昇華されている。
ミッキーの孤児院からの友人でミッキーを都合よく使いまくるスティーブ・ユアン演じるティもの存在もコメディの要素にひと癖入れてくれている。
この「やり過ぎない」が本作でも活きていてかなりバランスが良いものとなっているのだ。
ミッキーの乗る宇宙船のリーダーとなるのはケネス・マーシャル。
リーダーとしては「三流」で妻の後ろ盾がないと何もできず、当選できない政治家崩れながら、一部宗教的な熱い支持を得ている。
エクスペンダブルズは宇宙船に1人というルールを提唱したのもマーシャルで、なんでこんな奴がリーダーなんだというバカバカしいキャラクターを、マーク・ラファロが見事に演じている。
その妻のイルファを演じるのはトニ・コレット。一見温厚ながら労働者のことを何とも思っていない1番ヤバい奴だ。
そんなリーダーの元、ミッキーは危険な船外活動だけでなく、人間は宇宙の放射線にどれくらいの耐えられるのかとか、兵器開発やワクチン開発の人体実験の対象にされまくりついに17体目まで到達している。
労働者はいくらでも代わりが効くということと、選んだ覚えのない奴がリーダーになることの危うさという社会風刺が込められながらも、ミッキーの死に様は多少グロさを演出しながらもコミカルに描かれていて、マーシャル夫妻も風貌からしておもしろおかしく描かれていて観ていて楽しいのだ。
植民地惑星に到着するという大量の先住生物「クリーパー」がいる。「風の谷のナウシカの」オームを哺乳類にいたような生物だ。
マーシャルはこの生物を危険な敵だとみなしていたのだけど、17号はクリーパーに命を助けられる。
17号が死んだと勘違いした船員たちは、すぐに18号をプリントしてしまい、17号と18号はバッティングすることになる。
同じ人間が2人いることは重大な犯罪とされていて、2人とも処刑されるルールになっている。
ミッキーの恋人で警備兵のナーシャは、「恋人が2人いるなんて最高」と、隠れながら生活することを選ぶことで物語は大きく転換する。
物語を少しSFとして掘り下げてみると、例えば「攻殻機動隊」では人間には「ゴースト」があるとされていた。それがアイデンティティであり個性であり、人間とアンドロイドの差として描かれていた。
『ミッキー17』ではプリンターされたボディに記憶をインストールするだけで、ゴーストという概念はない。人間の個性は記憶に宿るということになる。
『攻殻機動隊』的に言えば複製されたミッキーはアンドロイドと変わらないことになるから、これは人間なのだろうか?という疑問を持ってしまったが、最終的にはやはり人間なのだろう。
というのも、ミッキーたちはプリントされるたびに少しだけ性格が違うとされている。
例えばミッキーは幼い頃に車の事故で両親を亡くしていて、17号は自分が車のボタンを押したことで事故が起きたと思っていて「後悔している」。それゆえ気が弱い。
一方で18号は車の欠陥だったと「しょうがない」と思っていて、気が強い。
同じ記憶でも記憶に対する想いが違うだけで、性格が変わってくるのだ。
それは決して同じ人間など生まれないと言うメッセージにも感じる。
もう一つが愛の存在。
恋人のナーシャは、ミッキーを唯一人間として見ていて愛してくれる。17号自身が自分を愛していないにも関わらずだ。
一方で18号は少し自己愛があるようにも感じるし、自分を大事にしない17号にイラついているのもおもしろい。
17号は18号にナーシャを取られそうになることで初めて生きる意味を見出す。
これまでは死んでもどうせ生まれ変わることができる、と思っていたのに同じ自分であるはずの18号にナーシャを取られるのはイヤなのだ。
それは今現在の自分がナーシャを愛しているということだ。
船員たちはクリーパーとの翻訳機を開発しながらも、マーシャル夫妻は全滅させようとしている。
ミッキーを人体実験にして開発した生物兵器をどうしても使いたいのと、それがリーダーとしての威厳だと思っている。
クリーパーは、すでに1匹が人間によって殺されてしまったことと、子供を人質に取られたことに怒り狂っていて、人質の解放と目には目をと人間にも1人の死を求めている。
それでも全滅作戦をやめようとしないマーシャルを18号は自分もろとも爆弾で殺す。17号とは違い、生きることに貪欲だった18号がだ。
その後、ナーシャが植民地惑星のリーダーとなり、二度と人体複製を行うことが出来ないようにとプリンターを破壊して物語は幕を閉じる。
資本主義だろうと人間には替えがきかないんだということと、愛の大事さに気づかせてくれた作品でした。
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