
(C)2025「片思い世界」製作委員会
「花束みたいな恋をした」の脚本・坂元裕二と監督・土井裕泰が再タッグを組み、広瀬すず、杉咲花、清原果耶の3人を主演に迎え、強い絆で結ばれた3人の女性が織りなす日常と究極の“片思い”を、オリジナル脚本で描きだす。
3人と同じ記憶を胸に秘める青年・高杉典真を横浜流星が演じ、小野花梨、伊島空、ロックバンド「moonriders」、田口トモロヲ、西田尚美が共演。
公開日(日本):2025年4月4日
監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
キャスト:
相楽美咲:広瀬すず
片石優花:杉咲花
阿澄さくら清原果耶
高杉典真:横浜流星
桜田奈那子:小野花梨
増崎要平:伊島空
ストリートミュージシャン:moonriders
加山次郎:田口トモロヲ
木幡彩芽:西田尚美
序盤の俳優たちの演技の違和感、特に清原果耶演じるさくらの声のデカさには驚かされる。
「相手にも聞こえてるでしょ」という声で相手に聞いてほしくないような話をするので、このノリが最後まで続くのはしんどいなと思わせるのだ。
しかし、すぐにその種明かしすることでイッキに物語に引き込まれる。シャマランの「シックス・センス」の手法を開始15分で全て観せています。
要するに3人の主人公は幼いころに事件に巻き込まれ亡くなっていて、社会に溶け込み仕事や勉強をしているように見えるが、生きている人間には3人のことは見えないのだ。
3人が健気に生きる姿は、なんでこんなに良い子たちが事件に巻き込まれなければならなかったのかという気持ちにさせられるし、どこかズレた生活感はやはり親たちとちゃんと大人になって欲しかったと同情せずにはいられない。
と同時に3人で仲むずまじく過ごす様子は、3人一緒で良かったとも感じ、複雑な心境になってしまう。とにかく物語とキャラクターの設定が良く、感情移入させられる。
伏線の貼り方も良く出来ている。
3人はひょんなことから元の世界に戻れる(生き返ることが出来る)かもしれないという可能性を見つける。
そのための条件として生きている人と心を通わせなければいけない。
杉咲花演じる優花は、自らのお母さんと、さくらは3人を殺害し刑期を終えて出所した犯人と心を通わせようとチャレンジする。
優香の母親はすでに再婚し、2人目の子供と幸せそうに生活している。優花の存在は忘れられてしまったように感じ優花はとても悲しむ。
3人を殺した犯人は12年の刑期を終え、工場で普通に仕事をしている。さくらが殺人犯と心を通わせる、というのは無理がありそうだ。
しかし、2人物語は思わぬ形で繋がっていく。
優花の母親は娘が殺されてしまったことに納得がいかず、犯人の職場まで「なぜ娘を殺したのか?」と問い詰めに行ってしまう。
もちろん話が通じる相手ではなく、逆に母親は殺されてしまいそうになる。
絶体絶命のピンチの中、犯人は車に轢かれることになるのだが、優花は母親のカバンに優花の好きな三日月の形のクッキーが入っているのを見つける。
その前のシーンで優花は「お母さんは星型のクッキーが好きで、私は三日月のクッキーが好き」と独り言のように母親に向かって話している。生きて母親と仲良さそうに話す2人目の娘に嫉妬するように。もちろん優花の声は母親には届いていない。
ちなみにここで劇場中の涙腺が崩壊する。もう嗚咽を我慢できないくらいに。
カバンの中のクッキーを見た優花は、本来の生活を取り戻しつつも母親が決して自分のことを忘れていないのだということを知り、生き返るための「心が通わせる」という条件を満たしたように感じる。
でも人間は生き返らない。それは覆すことのできないルールだ。
ここで思うのは姿も見えず、声も聞こえない人と「心を通わす」ということはどういうことだろう?ということ。そもそも心が通うって生きている人間同士でも難しい。
最後に待ち受けるのは広瀬すず演じる美咲と横浜流星演じる典真の物語。
典真は美咲が事件に巻き込まれたことを自分のせいだと思っていて、後ろ向きの人生を送り、ピアノを弾くことができずにいる。
しかし美咲は典真に前を向いて立ち直ってほしいと伝えたい。事件が起こった時にコンビニに行っていた典真が美咲のために肉まんを買いに行っていたこと。典真のことが好きだという気持ちも。
典真は美咲が亡くなる直前に書き上げた音楽劇の脚本を見つける。
それは典真と同じように大切な人を失い、前に進むことが出来ない主人公の物語だ。
2人は脚本を読むことで心を通わせる。お互いが好きという気持ちも。
亡くなってしまった人と生きている人が心を通わせるということは絶対にできない。
それはタイトルにもあるように決して叶わない「片思い」だ。
だけど相手が自分のことを思ってくれているということを知ることは、どんな喜びにも変え難いことなのだと気づかせてれる。
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