『スパイラル ソウ オールリセット』あらすじ・感想(ネタバレあり)

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2004年、第1作が公開されその狂気と世界観でファンの心をわしづかみにしてきた『ソウ』シリーズ。

2010年には『ソウ ザ・ファイナル 3D』が公開となり、シリーズに終止符が打たれたものの、2017年には『ジクソウ:ソウ・レガシー』が公開になり、これまで8作ものシリーズが公開されました。

とはいえ、『ソウ4』以降はただただグロテスクな描写が目立ち1~3で見られた「法では裁かれない悪が悪によって裁かれる」といったような信念が薄れてってしまい、惰性で観ていたファンも多いのでないでしょうか?

『スパイラル ソウ オールリセット』では、2~4で監督を務めたダーレン・リン・バウズマンが監督として復帰。

シリーズの特徴である殺人マシーンの標的となるのは、汚職を働いたにもかかわらず裁かれてこなかった警官たち。

許すか許さないかの選択を迫られる場面は『ソウ3』を彷彿とさせるなどシリーズ初期の雰囲気が踏襲されています。

さらに「バディもの」「主人公の怒り」といった点でデヴィッド・フィンチャー監督の『セブン』のような世界観も感じられ、映画ファンにも満足な内容でした。

『スパイラル ソウ オールリセット』作品概要

公開日:2021年9月10日

監督:ダーレン・リン・バウズマン

キャスト
ジーク・バンクス(クリス・ロック)
ウィリアム・シェンク(マックス・ミンゲラ)
マーカス・バンクス(サミュエル・L・ジャクソン)

『スパイラル ソウ オールリセット』あらすじ

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舌を切るか電車にひかれるか

独立記念日のパーティの夜。

刑事マーブ・ボスウィックは窃盗を目撃する。

地下鉄に逃げ込んだ犯人を追いかけると、豚の仮面をかぶった何者かに襲われる。

ボスウィックが目を覚ますと、舌がつながれ宙吊りにされている。

ボスウィックは裁判で警察側が有利になる嘘の証言をしていた。

2分後に電車が通り過ぎる。脱出するには舌を切るしかない。

ボスウィックは何とか舌を切り落とすが、間にあわず電車にひき殺されてしまった。

ジーク・バンクスは、過去に起こった警官による汚職事件を告発し、孤立している黒人刑事。

同僚のボスウィックが殺された事件の指揮を担当することになる。

新人のウィリアム・シェンクの教育係を押し付けられバディを組むことになる。

指を引きちぎるか感電死するか

バンクスの同僚のフィッチは、バンクスが応援要請をした際、一番近くにいたにもかかわらずその要請を無視した過去がある。

その結果バンクスは犯人に腹を撃たれてしまった。

そんなフィッチが犯人の手掛かりになりそうな人物を調べに行くと、何者かに襲われる。

フィッチが目を覚ますと水が入った桶に入れられ、10本の指は固定されていた。

フィッチは警察が民間人を誤って殺してしまった事件を証言しようとする人物を「あっちから襲ってきた」と噓をつき撃ち殺した過去がある。

歯を食いしばれば、指が引きちぎれるが、急がないと水が満たされ感電死する仕組みになっている。

フィッチは何とか指を引きちぎるが、間に合わず感電死してしまった。

一方で、バンクスのもとに新人のシェンク刑事の息子の名前のタトゥーが入った皮膚が送り付けられる。

犯人のヒントからバンクスが現場に向かうと、シェンクの死体が吊るされていた。

さらに、現場に残されていたヒントから刑事たちはとある倉庫へ急行します。

脊髄を切るか蝋で窒息死するか

刑事たちが倉庫に急行し、手薄になった警察事務所。

署長のアンジー・ガーサは地下で何者かにに捕らわれる。

アンジーが目を覚ますと、仰向けに縛られ、顔は布を覆われている。

アンジーはバンクスの父マーカス・バンクスが指揮した警官が有利になる法律を陰で支えた人物でした。

アンジーは脊椎を切断し脱出しなければ、顔に蝋をかけられ火傷をしながら窒息死してしまいます。

バンクスはアンジーが狙われていることに気づき事務所に帰りますが、間に合いませんでした。

ガラスの嵐から同僚を助けられるか

捜査を進めるバンクスだったが、ついにバンクス自身も捕まってしまう。

バンクスが目を覚ますと手錠でつながれていて、目の前には錆びたのこぎりが落ちている。

しかし、バンクスは部屋ピンを発見し、手錠を外します。

目の前には元同僚のピーターが立ったまま天井から縛られている。

ピーターも過去に汚職を働き、現在では刑事を退き禁酒会を主催しています。

ピーターの目の前にはガラスを砕いて発射する装置があり、酒瓶のガラスが次々とピーターに向かって発射されます。

ピーターを助けるにはバンクス自身もガラスを浴びながら手錠の鍵を解錠しなければなりません。

バンクスはピーターの過去の汚職を許し、ガラスの嵐の中に飛び込みますが、間に合わずピーターは死んでしまいました。

犯人を撃ち殺すか、父親をたすけるか

バンクスが通路を進み次の部屋に入ると、父親が手足を縛られ天井から吊るされています。

バンクスの父マーカス・バンクスは警官が誤って民間人を殺しても警官側が有利になるような法律をつくり、数多くの民間人が犠牲となっています。

そこに死んだはずの新人刑事ウィリアム・シェンクが登場します。

シェンクはバンクスに自分と同じタトゥーが入った皮膚を送り付け、自らが死んだと思わせていたのです。

シェンクはフィッチが汚職で撃ち殺した民間人の息子で、警官の汚職を恨んでいました。

正義感のあるバンクスと手を組みその残虐さで汚職を一掃しようと持ち掛けます。

バンクスは怒り狂いますが、渡された銃に弾は一発。

吊るされた父を助けるには天井にある的を撃たなければならず、急がなければ失血死してしまいます。

バンクスは父バンクスを助けるために天井の的を打ち抜きます。

そこにFBIが到着し、部屋に突入。

突入すると、縛られた父バンクスは操り人形のように銃をFBIに向ける仕掛けになっています。

銃を向けている父バンクスを見たFBIは、父バンクスをハチの巣にしてしまいました。

そのすきを突きシェンクはその場から逃走しました。

『スパイラル ソウ オールリセット』感想

『ソウ ザ・ファイナル』では、ネットの考察をそのままにゴードンが黒幕だったりと、『ソウ4』以降はなんとなく惰性で観ていたソウシリーズ。

2017年に公開された『ジクソウ:ソウ・レガシー』でも時系列のトリックなどで「ソウらしさ」を取り戻そうとしていた感じはしましたが、やはり1~3の衝撃は越えられず、ただただ「グロ映画」となっていった感じがしていました。

今回の『スパイラル ソウ オールリセット』では「スパイラル」「オールリセット」の名に恥じることなく、シリーズ後半の惰性間をリセットし初期のソウらしさを取り戻した作品になっています。

殺人マシーンの標的になるのは汚職を働いた刑事たち。

不倫だったり、嘘の証言など悪いことをしたにもかかわらず何の罪にも問われなかった者たちが裁かれるというのは、やはりどこかスカッとする気持ちが沸き上がります。

ただ、汚職を働いた刑事たちが殺される理由ははっきりしているのに対し、黒幕のシェンクが殺されたときは何の理由もないので、物語の途中で犯人が分かってしまうのは少し甘さを感じます。

やはり1のラストの衝撃を超えるのは難しそうです。

当初のソウシリーズのように悪いほうにスパイラル(繰り返)していくのか、オールリセットして最後まで素晴らしいシリーズになっていくのかこれからの展開が楽しみです。

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