『胸騒ぎ』あらすじと考察(ネタバレあり)

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ある善良な家族を襲う悪夢のような週末を描いたデンマーク・オランダ合作によるヒューマンホラー。

『アフター・ウェディング』など俳優としても活躍するデンマークの鬼才クリスチャン・タフドルップが監督・脚本を手がけたています。

『ファニーゲーム』『ミッドサマー』など数々の胸糞映画の歴史に新たな1ページが加わったと言って過言ではないほど衝撃のラストを迎える本作。

ネタバレのあらすじとともに考察していきます。

『胸騒ぎ』作品概要

https://youtu.be/jRN01DXHVJ0
公開日(日本)2024510

監督:クリスチャン・タフドルップ

キャスト
ビャアン(モルテン・ブリアン)
ルイーセ(スィセル・スィーム・コク)
パトリック(フェジャ・ファン・フェット)
カリン(カリーナ・スムルダース)
アウネス(リーバ・フォシュベリ)
アーベル(マリウス・ダムスレフ)
ムハジド(イシェーム・ヤクビ)
ヨーナス(イェスパ・デュポン)
フィーイ(リーア・バーストルップ・ラネ)
デレク(エードリアン・ブランシャール)
ハナ(サリナ・マリア・ラウサ)
ベビーシッター(イラリア・ディ・ライモ)

『胸騒ぎ』あらすじ

デンマーク人夫妻のビャアンとルイーセと娘のアウネスは、イタリア・トスカーナでの休暇中、オランダ人夫婦のパトリックとカリンと知り合う。

パトリックとカリンはアウネスと同い年と息子のアーベルを連れていて、親同士は意気投合する。

アーベルは言語障害で舌が無く、しゃべることが出来ない。

休暇が終わりしばらくしたころ、ビャアン夫妻の元にパトリック夫妻からオランダに遊びに来ないかと手紙が届き、ビャアンたちは週末にパトリック夫妻の家を訪れる。

パトリック夫妻の家は人里離れたオランダの田舎で、ビャアンたちは自然の中でリラックスする。

しかし、ルイーセはベジタリアンだと宣言しているのにも関わらず、イノシシ肉を強引に勧められたり、バスルームに入られたり、親たちだけで地元の料理屋に行く際には言葉も通じない「格安」のベビーシッターにアウネスを預けなければならなかったりとパトリック夫妻の何気ない行動に次第に居心地が悪くなっていく。

夜になり、ビャアン夫妻はこっそりと出て行こうとするが、パトリックに見つかり「悪意はなかった」と謝罪され夫妻はそれを受け入れとどまることにする。

翌日、アウネスとアーベルが親たちにダンスを披露する。

子供ながらの動きにビャアンとルイーセは温かい目で見守るが、パトリックはアーベルの動きが悪いと怒鳴り始め、しまいにはグラスを投げつける。

パトリックとルイーセは「子供がやってることなのだから温かい目で見守るべき」と諭すが、パトリックは教育方針の違いだと受け入れない。

その夜、目が覚めたビャアンが隣の納屋に入ると、大量の写真が壁に貼ってあり、パトリック夫妻は子供をとっかえひっかえに変えてきたということが分かる。

さらにプールではアーベルが死んでいる。

ビャアンはルイーセとアウネスを起こし、車で逃げ出すが、車がスタックしてしまう。

そのうちパトリック夫妻に追いつかれ、車に乗せられるも家には戻らず知らない道を走っている。

車が止まるとベビーシッターが現れ、アウネスを押さえつけ舌を切り取ってしまい、泣き叫ぶアウネスをどこかへ連れて行ってしまう。

ビャアンとルイーセは雪が降る中裸にさせられ、無数の石を投げつけられ死んでしまう。

『胸騒ぎ』考察

拒否しないということは受け入れるということ

アウネスの舌を切り取られ、ビャアンは「なんでこんなことを」と問いますが、パトリックは「お前たちが差し出した」と言います。

本作の原題は『Speak No Evil(悪口を言わない)』ですが、波風が立つことを恐れ、悪意から逃げることも戦うこともしないということはその悪意を受け入れると思われても仕方がないことであるというメッセージが込められています。

ビャアンたちが最初に逃げ出そうとしたとき、パトリックは謝罪こそしたものの気に入らなければ帰ってもいいと言っているし、ベビーシッターにアウネスを預けなければいけなかったときにも、そんなことするなら私は行かないとはっきり言えたはずです。

パトリックとカリンは目的のない「究極の悪」

パトリックとカリンはアウネスをさらってしまうものの、物語の途中で明確に攻撃をしてこないし、金目的でもなく自分たちの欲求を満たすためとも見えず、「脚本上の装置としての悪」として描かれています。

クリスチャン・タフドルップ監督は『ファニーゲーム』を意識した作品の1本として挙げていますが、『ファニーゲーム』でも訪れてくる2人の若者も目的がなく、脚本上で家族を支配する漠然とした悪の存在として描かれていました。

散りばめられた神話や聖書のモチーフ

本作ではところどころに聖書や神話のイメージが散りばめられています。

クリスチャン・タフドルップ監督は、最初は主人公たちがナイフで刺されたり、銃で撃たれたりする予定だったがそれではホラー映画になってしまう。そうしない代わりに聖書や神話のモチーフを加えることで、ホラー映画として崇高なイメージを加えたかったと語っています。

アーベルという名前は旧約聖書のアベルから取っていて、人類の最初の被害者です。

エンドクレジットの壁画「ガニュメデスの略奪」子供を

エンドクレジットが流れる際に、後ろに映し出される絵画は「ガニュメデスの略奪」

泣き叫んでいる子供はギリシャ神話に登場するガニュメデスでトロイア王家出身の美少年。

鷲は変身したゼウスでガニュメデスの美貌に魅了されたゼウスが彼をさらって神々の給仕役にしようとしている。

映画に登場するのは1635年にレンブラントによって描かれたもの。

ガニュメデスは通常美しい若者として描かれているが、レンブラント版では泣き叫び小便を漏らした姿で描かれている。個の姿は無理やり舌を切られたアウネスと重なる。

子供を差し出したものは石打ちにされる

旧約聖書の中のレビ記20章に「モレクに子供をささげるものは石打ちに値する大罪」と書かれている。

下半身を生き埋めにされ身動きが取れない状態で、大勢が投石を行い即死しないようにあまり大きくない石が用いられた。

モレクというのは古代の中東で崇拝された神の名。「涙の国の君主」、「母親の涙と子供達の血に塗れた魔王」とも呼ばれており、人身供犠が行われたことで知られる。

早くもハリウッドリメイクが決定

20229月に本作はアメリカで公開されており、早くもハリウッドでのリメイクが決定している。

製作は『ゲット・アウト』や『M3GAN ミーガン』のブラムハウス。

監督には『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』のジェームズ・ワトキンス。

アメリカでは早くも2024年9月の公開が決定しています。

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