『パスト ライブス 再会』あらすじと解説・考察(ネタバレあり)

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海外移住のため離れ離れになった幼なじみの2人が、24年の時を経てニューヨークで再会する7日間を描いた、アメリカ・韓国合作の大人のラブストーリー。

これが長編映画監督デビュー作となるセリーヌ・ソンが、12歳のときに家族とともに海外へ移住した自身の体験をもとにオリジナル脚本を執筆しています。

ノラ役はNetflixのドラマシリーズ『ロシアン・ドール 謎のタイムループ』や声優として参加した『スパイダーマン スパイダーバース』などで知られるグレタ・リー。

ヘソン役は『LETO レト』『めまい 窓越しの想い』のユ・テオ。2023年・第73回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門出品。

第96回アカデミー賞では惜しくも受賞を逃してしまいましたが作品賞、脚本賞にノミネートされています。

 

 


『パスト ライブス 再会』作品概要

公開日(日本):2024年4月5日

監督:セリーヌ・ソン

キャスト
ナヨン/ノラ(グレタ・リー)
ヘソン(ユ・テオ)
アーサー(ジョン・マガロ)

『パスト ライブス 再会』あらすじと解説

12歳――

韓国の小学校に通うナヨンとヘソンは、お互いに恋心を抱いているながらも、ナヨンは両親の仕事の都合でカナダのトロントへ移住することになり、お互いに気持ちを伝えることはないまま離ればなれとなってしまう。

12年後――

ナヨンは英語名を”ノラ”と名乗り、カナダからニューヨークへ移住。

劇作家として注目され始めていた。

ノラはひょんなことからSNSでヘソンを探すと、ヘソンはノラを今も探していることが分かる。

ヘソンは韓国の大学に通っていて、2人は12年の時を経てビデオチャットで会話をする。

そのうち毎日ビデオチャットをするようになるが、劇作家としての夢をつかみかけているノラはヘソンと距離を置くことを選ぶ。

12という数字と仏教的な考え

12歳で恋に落ち、12年後の24歳でSNSで再会、さらにニューヨークでの再会はその12年後の36歳と、ノラとヘソンは12年を周期に再会している。

また本作では【イニョン(韓国語で運命)】とか前世・来世といった仏教的な考えがテーマの1つになっている。

12という数字は1年が12カ月であったり12干支のほかに「十二縁起 / 十二因縁」という考えが仏教にはある。

「十二縁起 / 十二因縁」

「十二縁起 / 十二因縁」は人間の存在は常に変化するもので、他人との関係の中で生じると考えられています。

人生は連鎖的な因果の関係で構成されていて、一つ一つの瞬間が次の瞬間を形作っているという考え方を基礎としています。

12の段階を経て1周するこの考えですが、12段階の1番目である無明(ムミョウ)は知識の欠如や誤解、人生と現象の本質に対する無理解を意味します。

これは苦悩の連鎖が始まる最初の段階であり、正しい知識の欠如によって生じる無知の状態です。

ノラとヘソンが結ばれないのはこの12段階の最初の段階だからかもしれません。

「橋からの眺め」と本作の共通点

ノラの部屋には「橋からの眺め」という戯曲が置いてあり、わざわざ字幕でタイトルも出ている。

「橋からの眺め」はアーサー・ミラーが1950年代に書いた劇で、ノラの夫となるアーサーもアーサー・ミラーから取ったと考えられる。

物語は1950年台、ブルックリンの波止場で働くエディは、妻のビアトリスとビアトリスの姉の娘で孤児となっているキャサリンの3人で暮らしている。

あるときキャサリンのいとこのマルコとロドルフォが不法移民としてブルックリンにやってきて、エディ一家は2人を匿うことになる。

しかしキャサリンとロドルフォは恋仲になっていき、キャサリンに娘以上の感情を抱いていたエディはロドルフォを移民局に密告してしまうのだ。

永住権の獲得のためキャサリンに近づいたのではないか?

この物語で1つ重要なテーマは、ロドルフォはゲイだったのにも関わらずキャサリンとは永住権を得るためだけに恋仲になったのではないか?という点だ。

ノラにも同じ疑問が浮き上がる。

ノラはヘソンを好きだったのにも関わらず、ニューヨークで夢をつかむにはアーサーと結婚しグリーンカードを取得する必要があったのだ。

さらに12年後――

ノラは12年前のアーティスト招聘で出会った作家のアーサーと結婚して7年になっていた。

劇作家としても成功し、グリーンカード(永住権)も手に入れていた。

一方でヘソンはノラの結婚を知りながらも、ノラに会うためニューヨークへ訪れる。

24年ぶりの再会した2人はニューヨークを散歩しながら様々なことを話す。

ノラがアーサーと結婚前に韓国に行ったときにノラはヘソンにメールをしていたが、返信がなかったこと、ヘソンは結婚目前の彼女がいるが結婚に踏み出せずにいること。

ノラは帰宅するとアーサーにヘソンとの関係をありのままに打ち明ける。

アーサーはこのドラマチックな展開に「自分は恋の邪魔者じゃないか」とノラとヘソンの関係に太刀打ちできない何かを感じてしまう。

翌日ノラとアーサーとヘソンは3人でバーで食事をする。

ノラが間に座り英語と韓国語を通訳しながら3人は会話をするが、次第にノラとヘソンは韓国語で2人だけで会話が弾んでしまう。

バーから戻り、ヘソンは韓国に帰るためタクシーに向かう。ノラはヘソンをタクシーまで送る。

タクシーが到着するまでに2分、それは永遠にも感じる2分だ。

タクシーが到着し、ノラとヘソンは12歳の時に言えなかった「さよなら」を今度こそ言うことが出来る。

ヘソンはアーサーの待つアパートへと戻り、アーサーに涙を見せるのだった。

ヘソンは「過去」アーサーは「未来」

ノラがヘソンをタクシーまで送るラストシーン、画面は右から左へと進んでいく。

通常時間の進行を表現するときには左から右へと進むのが一般的だがこれはヘソンが過去の存在であるということが表現されている。

一方でヘソンと別れアーサーの元へと変えるときには、ノラは左から右へと進んでいく。

アーサーの元へ戻ること=未来へ進むことという表現だ。

人生の選択の全てを肯定するラストシーン

12歳の時に移住していなかったら――

24歳で再会していた時に、ノラが韓国へ、もしくはヘソンがニューヨークへ行っていたら――

ノラがアーサーに見せる涙は、アーサーにとって本来屈辱的で本来であれば怒ってもおかしくない場面だ。

しかしアーサーはノラのことを優しく受け止める。ヘソンとの過去も含めてノラのことを愛しているからだ。

先にノラがアーサーと結婚したのはグリーンカードを得るためと書いたが、ノラが仕事で成功し、自身を愛してくれる存在がいるという現在は逆にヘソンと人生を歩んでいたら得ることが出来なかったかもしれない。

誰しもが「もしあの時こうしておけば――」と思う瞬間があるが、その選択も含めすべての人生を肯定するラストシーンになっていると思います。

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