『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』あらすじと考察(ネタバレあり)

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(C)2022 Talk To Me Holdings Pty Ltd, Adelaide Film Festival, Screen Australia

SNSで流行する「90秒憑依チャレンジ」にのめり込んだことから思わぬ事態に陥っていく女子高生を描き、2023年サンダンス映画祭で話題を呼んだオーストラリア製ホラー。

A24が北米配給権を獲得し、全米でA24のホラー作品史上最大のヒットを記録。

主人公ミアを演じるのは、ドラマ『エブリシング・ナウ!』のソフィー・ワイルド。

人気YouTubeチャンネル「RackaRacka(ラッカラッカ)」を運営する双子の兄弟ダニー&マイケル・フェリッポウが長編映画監督デビュー作品です。

 



『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』作品概要


公開日(日本):2023年12月22日

監督:ダニー・フィリッポウ マイケル・フィリッポウ

キャスト
ミア(ソフィー・ワイルド)
ジェイド(アレクサンドラ・ジェンセン)
ライリー(ジョー・バード)

ダニエル(オースティン・ダンジ)
スー(ミランダ・オットー)

ヘイリー(ゾーイ・テラケス)
(クリス・アロシオ)
マックス(マーカス・ジョンソン)
(アレクサンドリア・ステファンセン)

『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』あらすじ

母親を亡くし孤独なミア

若者たちが家で音楽をガンガンにかけてパーティーを開催する中、コールは兄のダケットを探しています。

ダケットが奥の部屋でラリっているという情報を聞きつけると、鍵のかかった部屋からダケットを外に出します。

ダケットを連れ家に帰ろうとするも、ダケットはコールの胸を刺し、自分の顔にもナイフを突き立て自殺してしまいました。

 

場面は変わり女子高生のミアは友人のジェイドから弟のライリーを迎えに行くように頼まれます。

ライリーを車で拾い帰る途中、事故で瀕死のカンガルーに遭遇します。

ライリーはひと思いに殺してやるしかないとミアに車で轢くように言いますが、ミアは出来ませんでした。

90秒憑依チャレンジ

「90秒憑依チャレンジ」なるものが流行していて、SNSにアップされた動画には、目を真っ黒にして奇妙な動きをする同世代の若者が映っています。

ミアはアップされた動画がフェイクなのか確かめるため、友人のジェイドとライリーとともにヘイリーとジョスが主催するパーティーに参加します。

ミアは母親を亡くしていてうつ病になり薬物も経験しましたが、今では回復しています。

しかしミアは、父が母の死について何か隠しているのではないかという疑惑を持っていて父のことを避けています。

ミアは寂しさから孤独になることを恐れ、目立って仲間に入れてもらうため憑依チャレンジに参加します。

呪物の手を握り「トークトゥミー(話したまえ)」と唱えると、自分にしか見えない霊が目の前に現れ、「レットユーイン(入りたまえ)」と唱えると現れた霊が自分に憑依します。

90秒を超えてしまうと霊に身体を乗っ取られてヤバいようですが、ミアは93秒も憑依させてしまいました。

憑依が終わるとミアはその「トリップ感」にハマっていきます。

ライリーに霊が憑依してしまう

憑依チャレンジすっかりはまったミアは、ジェイドの家でパーティーを開催することにします。

ジェイドの母親のスーは家でパーティーをすることを禁止しますが、ミアたちは言いつけを破り、スーの留守中にミアの元カレでジェイドと交際しているダニエルとヘイリーとジョスを招き入れます。

皆それぞれ憑依を楽しみ盛り上がるなか、ライリーも憑依チャレンジをしてみたいと言ってきます。

18歳未満の憑依は危険とされていましたが、ミアが保護者づらをし許可します。

ライリーに憑依したのはミアの母親でした。

ミアは母親と話したいと思うあまり、ライリーを長時間憑依させることになりライリーは身体を乗っ取られてしまいます。

ライリーは何度も顔をテーブルに打ち付け、病院に運ばれていきました。

ミアたちはヘイリーとジョスが呪物の手を譲り受けたというコールに助けを求めに会いに行きます。

コールに会うものの具体的な改善策は得ることが出来ませんでしたが、ミアは憑依チャレンジを締めくくるためのろうそくの火を消しわすれたことを思い出します。

病室のライリーにもう一度憑依チャレンジをさせようとしますが、意識のないライリーにそれをさせるには難しく、うまくいきません。

その変わりミアはライリーにむさぼる霊たちの姿を見ることになります。ライリーの精神は無数の霊にむしばまれまさに地獄でした。

ライリーを救う方法は殺すしかない

そのうちミアは日常生活の中で霊を観るようになります。

ミアの父は母の死は自殺だったと言いますが、ミアが見る母の霊は自殺ではないと言い張ります。

父のことを霊が乗り移った偽物だと言い、ミアを幻覚で混乱させミアは父の頭をハサミで突き刺してしまいます。

さらにライリーの苦痛から解放するには殺すしかないと言われ、ミアは病室からライリーを連れ出し、車がいきかう大通りに向かっていきます。

間一髪のところでジェイドが駆け付けライリーは助かりますが、ミアだけが車道に出てしまします。

立ち上がったミアは病室で父がどこかに去っていく姿、ライリーが回復して退院していく姿を見ます。

さらに彷徨い続け、光の中に現れた手を握ると、どこか異国の若者が憑依チャレンジをしています。

ミアは霊となり憑依チャレンジで「呼び出される側」になっていたのでした。

 

『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』考察

瀕死のカンガルーはラストにつながっている

序盤でミアとライリーが車で走っていると瀕死のカンガルーに遭遇します。ライリーがミアにひと思いに殺してやるように言いますが、ミアは殺すことが出来ません。

このシーンはラストシーンでミアがライリーを殺そうとするシーンにつながっています。

ミアは母の霊に促され、ライリーを苦痛から救うため殺そうとしますが失敗してしまいます。

ジェイドが駆け付け間に合ったようにも見えますが、最後の最後でカンガルーと同様に「かわいそうだから殺せなかった」のです。

主人公のミアが一番ヤバい

なぜかライリーの保護者づらをして憑依チャレンジを許可したり、ちょっと人との距離感がバグっていたりと、「主人公がメンヘラ気味」というのはホラー映画と大変相性がいいのだなと感じされられる作品でした。

そもそもミアがメンヘラでなければ成立しない物語ですが「もしかしたら母親が自分を見捨てたうえでの自殺したかもしれない」「そのせいで父親ともうまくいっていない」と、観客にミアはメンヘラであると思わせるのが非常にうまいなと思いました。

憑依チャレンジをするには「呪物の手を握る」という設定も秀逸で、ミアは孤独を感じたくないから誰かに触れていたい=手を握りたいという想いから憑依チャレンジにのめりこんでいったというとらえ方もできます。

すでに続編が決定しており、監督もダニー&マイケル・フェリッポウ監督が引き続き務めることまで決まっているようなので、続報に期待がかかります。

 

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