ディズニープラスで公開された記念すべきMCU初のオリジナルドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』。
物語の構成はとてもユニークで、1話ごとにアメリカのシットコムドラマのパロディが繰り広げられる。
でも、ヴィジョンは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)でサノスに殺されましたよね?
そんなワンダとヴィジョンが幸せな家庭をなぜ築くことになったのかー-?
そもそもなぜシットコムドラマなのかーー?
今後のMCUへの伏線も多数ちりばめられているので、あらすじとともに解説していきます。
『ワンダヴィジョン』作品概要
公開日:2021年1月15日~ディズニープラスで独占配信
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/wandavision/4SrN28ZjDLwH
監督:マット・シャックマン
キャスト:
ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)
ヴィジョン(ポール・ベタニー)
モニカ・ランボー(テヨナ・パリス)
ピエトロ・マキシモフ(エバン・ピーターズ)
ジミー・ウー(ランドール・パーク)
ダーシー・ルイス(カット・デニングス)
アグネス(キャスリン・ハーン)
これまでの『ワンダ・マキシモフとヴィジョン』
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)
ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)とその兄であるピエトロ(クイック・シルバー)の初登場。
バロン・ストラッカーのアジトで、ワンダとピエトロはロキが持っていた杖(セプター)に関する実験の生き残りであったことが明らかになる。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)
アベンジャーズがソコヴィアのヒドラの要塞を襲撃したとき、ワンダはトニー・スタークに襲い掛かる。
ワンダはアベンジャーズが全滅するという幻覚でトニーを洗脳しトニーはその幻覚に惑わされ、新しい人工知能【ウルトロン】を発明してしまう。
ワンダとピエトロはウルトロンと手を組むが、ウルトロンの計画が人類滅亡計画であることを知り、アベンジャーズに協力することになる。
ウルトロンはヴィブラニウムから最強の人造ボディを作り出すが、アベンジャーズはこれを奪取。
アベンジャーズはマインドストーンの力によりそのボディに命を吹き込む。これがヴィジョンとなります。
ピエトロは犠牲となってしまうものの、ワンダはアベンジャーズに仲間入りを果たす。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)
ラゴスでの作戦中、ワンダは誤ってワカンダの民を死亡させてしまう。
これをきっかけにアベンジャーズは、国連の管理下に置かれる【ソコヴィア協定】に従うように求められる。
反対派のキャプテン・アメリカチームと賛成派のアイアンマンチームは対立することになる。
トニーはワンダの安全と世間の避難から守るため、ヴィジョンとともにワンダを施設に軟禁。ワンダとヴィジョンはそこで絆を深めることとなります。
賛成派のホークアイがワンダを連れ出そうとするが、それを守るヴィジョンをワンダは地下までテレキネシスで落としてしまう。
ドイツの空港でヒーロー同士のバトルが繰り広げられた結果、ワンダは海上の刑務所【ラフト】に収監される。
キャプテン・アメリカによって解放されたワンダは、ヴィジョンと再会し、ヨーロッパへ向かう。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)
ワンダとヴィジョンはスコットランドで一緒に暮らしていた。
そこにサノスの手下がヴィジョンに襲い掛かります。
ヴィジョンはサノスのインフィニティガントレットの完成を阻止するのは、自分のマインド・ストーンを破壊するしかないとわかっていた。
それは自分自身を破壊することであり、しかもマインド・ストーンを唯一破壊できるのは、ワンダしかいないことも知っていた。
サノスの追手が迫る中、ワンダはヴィジョンの額のマインド・ストーンを破壊する。
しかしサノスは、タイム・ストーンを使いヴィジョンを復活させ、額からマインド・ストーンを奪ってしまう。
ガントレットは完成し、サノスは全宇宙の生命の半分を消し去り、ワンダも塵となって消えてしまった。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)
サノスの指パッチンにより全宇宙の生命は半分なってしまった。
残されたアベンジャーズは過去に戻ってストーンを取り戻す計画(タイム泥棒計画)を実行する。
計画は成功し、消滅した生命とともにワンダも復活を果たす。
ワンダの活躍もあり、サノスを倒すことに成功するが、指パッチン以前にサノスに倒されていたヴィジョンを蘇らせることはできなかった。
『ワンダヴィジョン』あらすじ
エピソード1「公開収録でお送りします」
アメリカで1951年台に放送されたドラマ『アイ・ラブ・ルーシー』と、1960年代に放送された『ディック・ヴァン・ダイク・ショー』がパロディの元ネタ。
白黒映像で、実際に収録を観覧している観客の笑い声などの反応が入る【シットコムドラマ】の形で物語は進行します。
ニュージャージーのウエストビューで暮らす新婚のワンダ・マキシモフとヴィジョン。
2人はカレンダーにハートマークがついていることに気づきますが、その日が何の日か思い出せません。
おせっかいな隣人のアグネスは、夫婦の記念日に違いないとワンダに話し、ワンダもきっとそうだと思い込みます。
ヴィジョンは職場で、その日が「上司のハートさん夫妻が来る日」だということを思い出します。
ワンダは記念日と勘違いしているので、夫婦2人でくつろいだ夜を過ごそうと準備をします。
そこにヴィジョンはハート夫妻を連れて家に帰ってきます。
慌てたワンダは魔法を使ってハート夫妻をもてなす準備をしますが、キッチンは大惨事に。どうにかこうにか料理を完成させます。
ハート夫妻は「なぜウエストビューに来たのか」「どこから来たのか」と世間話を振りますが、ワンダとヴィジョンは何も答えることができません。
番組が終わりクレジットが流れたあと、現代風の施設の映像になります。
誰かが白黒テレビでワンダたちの様子をドラマとして観ていることがわかります。
エピソード2「チャンネルはそのまま」
エピソード2の元ネタとなるのは『奥様は魔女』。
引き続き、白黒映像のシットコムドラマで物語が進みます。
ワンダは物音で目が覚めると、おもちゃのヘリコプターが庭に落ちている。
白黒の世界でそのヘリコプターだけカラーです。
ウエストビューの住宅街では「最近物騒な物音がする」と町の人々が騒ぎだし、ヴィジョンも見回りに参加することになる。
一方で、ワンダとヴィジョンは地域の行事のショーでマジックを披露することを計画します。
へたなマジックを披露すれば、自分たちが普通の人間だということをわかってもらえて、町に馴染めると思ったのです。
ワンダは行事の会議に参加すると、町内会を牛耳るドッティと最近引っ越してきたというジェラルディンと出会います。
ラジオからはなぜかワンダを呼ぶ声が聞こえます。
ヴィジョンは町内会で見回りの会議に参加し、周囲に馴染もうとすすめられたガムをつい食べてしまいます。
ヴィジョンは人間の食べ物は食べられないので、行動が支離滅裂になってしまいますが、ショーでの自分のマジックの番が回ってきてしまい、そのまま舞台に上がります。
ワンダとヴィジョンはピンチをごまかすため、ついにみんなの前でパワーを使ってしまいます。
何とかすべてマジックのトリックだと思いこませることに成功し2人は周りに馴染むことができました。
家に帰るとワンダは自身が妊娠していることに気が付きます。
夜中にワンダが目を覚ますと外から大きな音がします。
外に出てみると養蜂家の姿をした何者かが姿を現しますが、ワンダは時間をもとに戻し、何もなかったことにしてしまいました。
エピソード3「カラー放送」
時代は1960年台から1970年台へと移り変わり、白黒だった世界はカラーに変わります。
物語も進展が急速に早まり、ワンダの妊娠も異常なスピードで進行。陣痛が始まります。
慌てたヴィジョンは医者を呼びに外に出ていきます。
ワンダは陣痛の痛みで完全に自分の力が制御できなくなりますが、ジェラルディンが登場し出産を手伝うことになります。
ヴィジョンも医者を連れて家に戻りますが、ワンダは双子のビリーとトミーを出産していました。
双子が生まれた後、ヴィジョンはお隣さんのアグネスと、ハーブが噂話をしているところに立ち会います。
ジェラルディンには夫も家族もなく、それどころか家もないというのです。
家の中ではジェラルディンがワンダに、ピエトロを殺したウルトロンのことを尋ねます。
ジェラルディン自身、なぜこんなことを聞いたのかわかりませんでした。
この質問はワンダを怒らせ、ジェラルディンは家の外に吹き飛ばされてしまいます。
さらに吹き飛ばされ続けたジェラルディンは、エネルギーフィールドの外に投げ飛ばされ、兵士に取り囲まれます。
エピソード4「番組を中断します」
サノスの消滅から復活したモニカ・ランボーは、母マリアが設立したソード(S.W.O.R.D. 知覚兵器観察対応局)に復帰します。
ニュージャージーの行方不明事件を捜査するため、ウエストビューに派遣されたモニカは、FBIのジミー・ウーと出会います。
ウエストビューの看板を近隣の住民に見せても、誰もウエストビューという町のことを知りません。
ウエストビューはエネルギーフィールドで住人もろとも閉じ込められているようです。
モニカはエネルギーフィールドの中にドローンを送り込みますが、エネルギーフィールドを通過した瞬間消えてしまいます。
モニカがエネルギーフィールドに手を伸ばすと、中に引き込まれ消えてしまいました。
その後、ダーシー・ルイスが調査に加わります。
ダーシーはエネルギーフィールドから、テレビの電波が送信されていることに気づきます。
テレビをつなげると、これまで私たちが見てきたワンダとヴィジョンによるシットコムドラマが映し出されます。
ソードは出演者たちは行方不明になった人物であることを発見し、ジェラルディンと名乗るモニカのことを発見します。
ドッティに出会った時の集会のシーン。ジミーはラジオを通してワンダに呼びかけますが、ワンダには届きません。
防護服を着たソードのメンバーが、下水道からエネルギーフィールドを突破しようとしますが、養蜂家の姿に変わってしまいました。
番組は進み、双子が生まれた後のシーンになります。モニカがウルトロンのことをワンダに話すと、ワンダはエネルギーフィルドの外へモニカを吹き飛ばしてしまいます。
エピソード5「問題エピソード」
時代は1980年台に変わり、トミーとビリーは5歳になりました。
ワンダが周りに馴染んでいくにつれて、ヴィジョンは町の雰囲気に違和感を覚えるようになります。
ヴィジョンが同僚のノームのこめかみに触れると、なぜかノームは呪縛から解放される。
ノームは何かに捕らわれていて苦しんでいるようだったが、もとに戻すしかありません。
ウエストビューの外では、モニカは事情聴取を受け、ヘイワードはワンダが事件の主犯だと断定し、ワンダへの攻撃を決定する。
ヘイワードは証拠として9日前にソードで撮影されたビデオを公開する。
ワンダは施設を襲撃し、ヴィジョンの死体を奪っていたのだ。
一方ウエストビューでは、トミーとビリーが子犬を拾ってきて飼いたいと言い出します。
ワンダが生きものを飼うには幼すぎると双子を諭すと、双子は一気に10歳まで成長してしまいます。
犬はスパーキーと名付けられました。
ヘイワードはモニカからドローンを奪いワンダを攻撃すると、ワンダは激怒しヘックス(エネルギーフィールドの中)から出てきてFBIとソードにこれ以上干渉しないように警告します。
モニカ、ジミー、ダーシーの3人は宇宙調査用の車両で、ヘックスへ侵入する計画を立てます。
ヴィジョンはワンダにノームのことを話そうとしますが、ワンダは聞こうとしません。
外のことを知りたいヴィジョンと何も話そうとしないワンダは、ついに喧嘩になってしまいます。
しかし、そんな2人のものとにある人物が訪れます。
それはウルトロンに殺されたはずのピエトロでした。
エピソード6「ハロウィーンの不気味な夜に」
ハロウィーンの夜。一家は仮装して盛り上がります。
しかしヴィジョンは、見回りのためだと言って出て行ってしまい、双子の面倒はピエトロが見ることになります。
ウエストビューの外では作戦から外されたモニカ、ジミー、ダーシーが警備員を倒し逃走を図ります。
3人は再びヘックスへの侵入を計画しますが、モニカの体はヘックスへの侵入によって細胞が書き換わっていて、再びヘックスに侵入することはリスクがあります。
ワンダはピエトロの出現に戸惑っていました。
ヴィジョンは見回りに行くのではなく、町のはずれがどうなっているのか調査に出かけていました。
町のはずれでヴィジョンが見たものは、凍ったように固まり、何度も同じ動作を続ける人々の姿でした。
さらに調査を続けると、固まったアグネスを発見します。
ヴィジョンがアグネスを解放すると、アグネスはヴィジョンがアヴェンジャーズのメンバーであることを知っています。
しかし、ヴィジョンにはアベンジャーズだったころの記憶はないようです。
ヴィジョンはアグネスをトランス状態に戻すと、真相を知るべくヘックスの外へ出ようとします。
しかし、ヴィジョンはヘックスの外へ出ると体がバラバラになってしまいます。
ビリーは父親の危機を感じ取りワンダに伝えます。
ワンダはヘックスを拡大し、ヴィジョンをヘックスの中に再び取り込みました。
ヘックスを拡大したとき、ソードの兵隊とともにダーシーも巻き込まれてしまいます。
エピソード7「第4の壁を破って」
ヘックスを拡大したワンダは、疲れ果てて目を覚まします。
時代設定は2010年台に変わりますが、双子が遊ぶゲームは超ハイテクになったり、ただのカードゲームになったりとめちゃくちゃです。
ヴィジョンは野外のサーカスで目が覚めると、ダーシーを発見します。
ダーシーはソードのことを覚えておらず、ヴィジョンをサーカスのピエロだと思い込みますが、ヴィジョンはダーシーを呪縛から解放します。
2人は車を奪い町に戻ろうとしますが、ワンダはあの手この手で2人が町へ戻るのを妨害します。
ヘックスの外では、モニカとジミーが重装甲のスペース・ローバーでヘックスへ入ろうとしますが失敗。
モニカは歩いてヘックスの壁を通り抜けようとしますが、彼女自身も現実を改変するパワーを浴びてしまいました。
ヴィジョンはダーシーから自身の過去を聞きます。
ジャービスというAIだったことや、サノスの出現によってワンダが自身を殺さなければならなかったこと。再びサノスに殺されたこと。
モニカはワンダの前に現れ、ヘイワードがヘックスを攻撃しようとしていると警告しますが、ワンダは聞き入れません。
ワンダがアグネスの家に戻ると、子守を任せてたはずの子供たちがいないことに気づきます。
子供たちを探しに地下へ入っていくと、不気味な人骨や神秘的な本が飾られた奇妙な部屋があります。
アグネスは自分の本当の名前は【アガサ・ハークネス】だとあかし、ワンダがウエストビューでうまくいかなかったのは自分の仕業だと告白します。
エピソード8「前回までは」
1963年、アガサ・ハークネスは危険な黒魔術を使った罪で、仲間の魔女に拘束されていた。
有罪となり魔女たちがアガサに魔術を浴びせるも、アガサはそのパワーを吸収し、魔女たちを殺してしまいました。
地下室でアガサと対峙するワンダは、なぜか魔法を使うことができません。
アガサがルーンの結界を張って、自分以外が魔法を使えないよにしていました。
アガサはワンダにどうやってここまで複雑に町を作り出し、人々をコントロールしているのかを尋問します。
アガサは何世紀にもわたり魔術を研究してきましたが、ここまでの魔法は見たことがありませんでした。
アガサはワンダの心の中に入りその起源を探ります。
ワンダの記憶は子供時代に戻され、家族とともに過ごした夜を思い出します。
その日は家族でテレビを観る日で、ワンダがDVDを選ぶ番でした。
ワンダは大好きなシットコムドラマを選びます。
家族でドラマを観ていると、家に爆弾が落ち両親は死んでしまいます。
ワンダとピエトロはさらにもう1つの爆弾(ストーク・インダストリー製)を目の前にしますが、2人は助かりました。
アガサはワンダが魔法を使って爆発を止めたのだと明らかにします。
次の記憶は、ヒドラのバロン・ストラッカーに実験台にされていたころのものでした。
マインド・ストーンのパワーを浴びて生き残ったのは、ワンダとピエトロの2人だけでした。
最後の記憶はワンダがヴィジョンを埋葬するためにソードの本部を訪れたときものでした。
ワンダが見たものは解体されるヴィジョンの姿でした。
悲しみに暮れたワンダはヴィジョンが書き残した住所(ウエストビュー)へ向かいます。
そこにはヴィジョンが2人で暮らそうと計画していた空き地があったのです。
ワンダは無意識の魔法でヴィジョンの体を作り出し、家を建て、町を飲み込み作り変えてしまったのです。
そのことを知ったアガサは無から有を生み出す【スカーレット・ウィッチ】だとワンダを危険視します。
一方でヘイワードは、ヴィジョンの遺体から作り出した新しいヴィジョンが存在することを明らかにします。
エピソード9「シリーズ最終回」
アガサはワンダに魔法を使わせるため、トミーとビリーを襲います。
ワンダは魔力をぶつけますがアガサに吸収されてしまいます。
しかし、2人の戦いはヘイワードによって作り出された真っ白なヴィジョン【ザ・ヴィジョン】よって邪魔されます。
ザ・ヴィジョンはワンダが作り出したヴィジョンを倒すようにプログラムされていました。
アガサは町の人々をワンダの呪文から解放し、ワンダが無理やりTV番組を演じさせ皆を苦しめていたのだと暴露してしまいます。
ワンダは人々をヘックスの外に出そうとすると、その隙間からヘイワードの軍隊がヘックスの中へ侵入します。
ヘックスを破壊すればヴィジョンやトミーとビリーが生きていけないことにワンダは気づきます。
トミーとビリーは親から受け継いだパワーで兵士たちを倒します。
2人のヴィジョンの力は互角で決着がつきません。
すると2人は哲学的な話し、どちらのヴィジョンもヴィジョンではなくヴィジョンであることを認め合います。
ヴィジョンはワンダに作られた存在のため、ワンダのことは覚えていますが、それ以前の記憶がないのです。
それに対して元のヴィジョンをもとにつくられたザ・ヴィジョンにはヴィジョンの過去の記憶が備わっていますがヘイワードによって記憶へおアクセスが禁止されていました。
ヴィジョンはザ・ヴィジョンが記憶にアクセスできるようにしてやるとザ・ヴィジョンはどこかへ飛び去って行きました。
一方でワンダは、アガサに追い詰められます。
アガサはワンダに力を渡せば完璧な状態の家族が用意できると、ワンダに約束します。
ワンダはこれを拒否し、パワーをアガサに放つものの、全て外れてヘックスの壁にぶつかっていました。
ワンダは次第に弱っていき、勝利を確信したアガサは完璧な状態の家族など嘘で、そんな方法はないとワンダに言います。
しかしワンダが放っていた魔法はヘックスの壁にルーンの結界を作り出していました。
結界の中では結界を張った者しか魔法を使うことができません。
ワンダは見事アガサに勝利し、罰としてアガサに一生おせっかいな隣人を演じているように命じます。
しかし、ワンダはヴィジョンやトミーとビリーとこれまで作ってきた町もろとも失わなければならないことをわかっていました。
ワンダが作った町は消え去ってしまいました。
ラストシーン。ワンダは人里離れた山小屋でダークホールドを研究しています。
ページをめくったとき、遠くから子供の声が聞こえます。
ラストの意味は?
ヴィジョンとザ・ヴィジョンがしていた哲学的な話は何か?
ヴィジョンとザ・ヴィジョン(ホワイト・ヴィジョン)は戦うことをやめ、「テセウスの船」の話をします。
ヴィジョンはテセウスの船の木材が腐ってしまい、その木材を変えていったとき、もとの木材が一つも残っていなくてもそれはテセウスの船なのか?とザ・ヴィジョンに問いかけます。
さらにヴィジョンは、その腐った木でもう一度船を組み上げたらそれはテセウスの船なのか?とザ・ヴィジョンに問いかけます。
腐った木で作った船は、ワンダが作りだしたヴィジョンであり、新しい木で作った船はヘイワードがサノスによって破壊されたヴィジョンをもとに作ったザ・ヴィジョンを意味しています。
ワンダが作り出したヴィジョンは、無から作り出されたため、作られた以前の記憶がありません。
しかし破壊されたヴィジョンから作られたザ・ヴィジョンには、ヘイワードがアクセスを禁止しているだけで、記憶は眠っています。
ヴィジョンはザ・ヴィジョンの額に触れ、記憶にアクセスできるようにしてやります。
これによってザ・ヴィジョンは完璧な存在になることができ、どこかへ飛び去って行きます。
ヘックスとともにヴィジョンが消え去るとき、「またどこかで会える」とワンダに伝えたのは、記憶を取り戻したザ・ヴィジョンのことなのです。
ワンダは山奥で何をしていたのか?
ワンダはお茶を淹れながら、別の意識でダークホールドの研究をしています。
ドクター・ストレンジも寝ながら別の意識で本に没頭していたのと同じです。
ヘックスが消えるとき、ヴィジョンが消滅した描写はありますが、トミーとビリーが消滅した描写はないので、今後登場するかもしれません。
ダークホールドは別次元を開く鍵となり、最後に聞こえた子供の声は別次元のトミーとビリーの声かもしれません。
今後の作品への伏線となってくるでしょう。