公開日(日本):2024年10月11日
監督:トッド・フィリップス
『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』あらすじと史実
“フォリ・ア・ドゥ”という言葉の意味
副題として付けられている”フォリ・ア・ドゥ”というのはフランス語で「二人狂い」という意味。
妄想の症状が2人、もしくは複数に伝染する状態をあらわしています。
前作で逮捕されアーカム州立病院に収容されているアーサーは、レディー・ガガが演じるリー・クインゼルと出会うことでジョーカーの狂気がクインゼルに伝染していく様子が描かれる。
……と、思いきや物語は予想に反する方向に進んでいきます。
ルーニー・テューンズ調アニメ「僕と、僕の影」
物語はルーニー・テューンズ調のアニメで幕を開ける。
前作で生放送中にマレー・フランクリンを銃殺してしまったアーサーだったが、アーサーとジョーカーは別人格であり、悪さをしたのはジョーカーという人格だという内容になっている。
『フォリ・ア・ドゥ』ではアーサーの裁判に重きが置かれており、弁護士は必死に幼いころに受けた虐待の影響がアーサーの中にジョーカーという人格を作り出してしまったということを訴えている。
要はアーサーは精神疾患だから無罪だという主張だ。
ちなみにアニメーションの中には、トッド・フィリップス監督が『フォリ・ア・ドゥ』を撮るにあたり影響を受けたであろう映画のポスターが貼られている。
『モダン・タイムス』(1936年)
チャップリンが演じる心優しい男が工場での単調作業に精神を病んでしまうという喜劇。
『モダン・タイムス』のラストシーンで流れる曲「スマイル」は前作『ジョーカー』の中でも引用されてる。
現代の社会システムが心優しい男(アーサー)を壊してしまったというところで共通している映画だ。
『サマー・ストック』(1950年)
『フォリ・ア・ドゥ』では『サマー・ストック』でジュディ・ガーランドが歌った、「レッツ・ゲット・ハッピー」をリーが歌っている。
「何もかも忘れて幸せになりましょう/最後の審判に備えましょう」と現実逃避の歌詞だが、「最後の審判に備えましょう」というのはラストに通じる深い意味を持っています。
『バンド・ワゴン』(1953年)
『バンド・ワゴン』はリーが放火をする前、刑務所内で上映されていた映画だ。
引退しようとする俳優を仲間たちが舞台に復帰させようとしているシーンが映し出されていて、アーサーの中に身をひそめるジョーカーという人格の復帰を待ちわびる聴衆たちという構図に通じている。
なぜミュージカルなのか?
前作がミュージカルではなかったので、続編からミュージカルになるというのは違和感を覚える人も多いはず。
さらに、物語から流れるようにミュージカル……ではなく、唐突に始まるミュージカルパートが多いのも印象的で、物語に入り込めなかった人がいるのも納得できます。
ただ、歌手であるレディ・ガガはもちろん、ホアキン・フェニックスも見事な歌声を披露しているうえ、2人ともスタジオ収録ではなく演技をしながらライブで歌っているようです。
アーサーの「妄想」が強調されている
前作のラストではアーサーの恋人として登場したソフィーは、実は恋人ではなくアーサーの妄想の中でだけの恋人だったと明かされました。
『フォリ・ア・ドゥ』ではミュージカルにすることで、この部分はアーサーやリーによる妄想なのだとわかりやすいようになっています。
さらにミュージカルパートでは脚光を浴びたいというアーサーの想いが描かれています。
ミュージカルパートはジョーカーとしてTVで脚光を浴びているという設定のものが多く、心優しいアーサーとジョーカーという人格であることの痛快さで揺れ動く気持ちが分かりやすくなっています。
さらにミュージカルパートが退屈なのはミュージカルパートというのはアーサー(なんでもない男)の妄想だからだ。
ラストの意味
有罪が確定したものの、裁判所が何者かによって爆破され逃げ出すも結局アーカム州立病院に戻ったアーサー。
面会が来たと言われ面会所まで行こうとすると、付いてきた囚人に腹を刺されてしまい、アーサーはその場に倒れ込み腹を刺した囚人は口を切り裂きだします。
アーサーはジョーカーではなかった
これまでのジョーカーはDCコミックにより設定が何度も変わっていますが、実際に口を裂いたジョーカーというのは『ダークナイト』(2008年)でヒース・レジャーが演じたジョーカーが思い出される。
アーサーはジョーカーではなく、アーサーの狂気が伝染し、本物のジョーカーが誕生したという解釈ができる。
これまでジョーカーになり脚光を浴びるか、心優しいアーサーとして生きるか揺れ動いていたアーサーの心境に冷や水を浴びせるようなラストだ。
さらに”フォリ・ア・ドゥ”という言葉の意味が、アーサーとリーの間だけのものでなく、自分の手の届かないところまで伝染していたという副題の伏線も回収されている。
リーの「子供が出来た」というセリフ
アーサーとリーのセックスシーンが描かれているのでリーの「子供が出来た」というセリフは実際に妊娠したという意味にとることが出来るが、本当のジョーカーが生まれるという意味にもとることが出来ます。
リーは「The Joker」という曲の中で「The Joker is me.」と歌っている。
ジョーカーの狂気を伝染させた黒幕はリーであり、アーサーという人物は何者でもなかったという意味にとることが来ます。
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