映画『プレステージ』あらすじ・考察(ネタバレあり)

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こんにちは。きくらげ(@moviearasuji)です。

2020年9月18日、最新作『TENET テネット』が公開となり注目を集めるクリストファー・ノーラン監督

そのノーラン監督がクリストファー・プリーストの小説「奇術師」を映画化し、2007年公開された『プレステージ』は、難解な映画の1つとされています。

すでに『TENET テネット』を観た人もこれから観る人も同監督の過去作を振りかえってみましょう。

『プレステージ』作品概要

公開日:2007年6月9日

監督:クリストファー・ノーラン

キャスト
ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)
アルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)
オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)
カッター(マイケル・ケイン)
ジュリア・マッカロー(パイパー・ペラーボ)
サラ(レベッカ・ホール)
アリー(アンディ・サーキス)
ニコラ・テスラ(デビッド・ボウイ)

『プレステージ』登場人物

ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)

水中脱出のマジックに失敗したことで妻を亡くしたマジシャン。

失敗の際にロープの結び方を間違えたボーデンを恨み、復讐を誓う。

ボーデンの瞬間移動のマジックのタネがわからず、必死で盗もうとする。

ニコラ・テスラが偶然開発した複製装置を使い究極の瞬間移動マジックを完成させる。

ロバート・アンジャーは芸名で本名は“コールド卿”

アルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)

水中脱出のマジックでアンジャーの妻を殺してしまう。

サラと結婚し子供に恵まれるが、アンジャーの助手オリヴィアと不倫関係に。

ボーデンの恨みを買い、手を銃撃され指を失う。

相棒のファロンとともに誰にも見破ることができない瞬間移動マジックを完成させる。

ファロン(クリスチャン・ベール)

ボーデンのマジックを裏で支える相棒。

しかし、その正体はボーデンの双子の兄弟

ボーデンとファロンは妻にもばらすことなくお互いを演じている。

瞬間移動マジックも双子だから成しえる技。

オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)

アンジャーのマジックのアシスタント。

アンジャーに命じられボーデンの瞬間移動マジックのタネを盗もうとするが、ボーデンと不倫関係になる。

しかし、オリヴィアと愛し合っているのはファロン

サラ(レベッカ・ホール)

ボーデンの妻。

ボーデンがファロンと入れ替わっているときは、“マジックに集中しすぎて自分のことすら眼中にない”と思っている。

オリヴィアと愛し合っているのはファロンだが、ボーデンだと思っているためそのショックから自殺してしまう。

カッター(マイケル・ケイン)

アンジャーとボーデンの師匠。

マジックの道具を作る工作家でありながら自らもマジックを行う。

アンジャーとボーデンの仲に亀裂が入った後も、二人のことを気に掛ける。

ニコラ・テスラ(デビッド・ボウイ)

交流電流を発明した発明家。

エジソン派に迫害され山奥でひっそり実験にいそしんでいる。

瞬間移動装置を開発中、偶然に複製装置を開発

複製装置はアンジャーの手に託す。

『プレステージ』あらすじ

水中脱出マジックでの事故

マジック(手品)は3つのパートから成り立つ。

1「確認(プレッジ)」

カードや鳥、または人。

それが本物かどうか、タネも仕掛けもないと観客に確かめさせる作業。

2「展開(ターン)」

タネも仕掛けもないものが消えたり変化して観客を驚かせる作業。

しかしこれだけでは観客は満足しません。

3「偉業(プレステージ)」

消えたものが再び姿をあらわせてこそ観客は満足します。

どんなマジックにも偉業(プレステージ)がないとマジックは成立しません。

 

 

 

19世紀末、ロンドン。

マジシャンを目指すアンジャーとボーデンは、奇術工作家でマジシャンのカッターのもとでマジックの技を磨いている。

アンジャーはしゃべりはうまいものの、マジックの腕はそこそこ。

ボーデンはタネを見破る“目”がよく、技術にたけているものの、いまいち光るものがない。

ある日の舞台でカッターは、いつも通り水中脱出マジックを披露する。

水中から脱出をこころみるのはアンジャーの妻ジュリア。

その妻を縛るのは観客に扮していたアンジャーとボーデンだ。

いつもの流れで進んでいくマジックの中、ボーデンはジュリアの了承のもと、いつもより難しいロープのむずび方をこころみる。

ジュリアは水中でロープをほどくことができず、マジックは失敗。

そのまま帰らぬ人となってしまいます。

妻を亡くしたアンジャーはボーデンにロープをどう結んだか問いただします。

しかし、ボーデンは「覚えていない」と言うばかりで、アンジャーはボーデンに復讐を誓います。

アンジャーとボーデンの対立

カッターはアンジャーとボーデンを気にかけているものの、3人で同じ舞台に立つことはなくなってしまった。

ボーデンはサラと結婚し、貧乏ながら子供にも恵まれる。

ボーデンはファロンというマジックの演出家と組んで、1人で舞台に立ち始めていた。

今の観客が求めるのはボーデンが得意とする地味な技術のマジックより、“銃弾つかみ”のような派手なものだ。

“銃弾つかみ”にももちろんタネはある。

あらかじめ銃弾を手に持っていて、拳銃は空砲にしておくのだ。

いつものように用意した拳銃を観客に渡し自分を撃つように指示するボーデン。

顔を上げると銃を持っているのはアンジャーだ。

アンジャーは渡された拳銃に銃弾をつめ発砲。

ボーデンは指を2本失ってしまう。

その後2人は、お互いの舞台を観に行ってはジャマをしあうということを繰り返していた。

アンジャーも新しいアシスタントのオリヴィアとともに舞台に立ち始める。

カッターが作った新しい瞬間移動のタネは、観客にとても好評だ。

ボーデンの瞬間移動は自分が観客から見えないように舞台から地下に落下し、それと同時に別の場所からそっくりさんの役者が登場するというものだった。

ある日、アンジャーはボーデンの“完璧な瞬間移動”を目にしてしまう。

カッターにタネを聞くも「君と同じタネだ」とはぐらかされ真相は聞き出せそうにない。

そこでアンジャーはオリヴィアにボーデンのアシスタントをしてくるよう命じる。

オリヴィアとアンジャーは愛し合っているため、オリヴィアは不満たらたらだが、そこまでしてでもアンジャーはボーデンのタネが知りたい。

しかし、いくらオリヴィアが調べようにも、ボーデンの瞬間移動マジックは完璧なものでタネは見破れない。

ボーデンの日誌を盗み見ても、暗号になっていて解読できない。

ボーデンのもとへ通い詰めるオリヴィアは、いつしかボーデンと不倫関係になってた。

一方で、アンジャーの“そっくりさん”は歓声を浴びることに味を占め、アンジャーを脅しはじめていた。

完璧な瞬間移動とニコラ・テスラ

ボーデンの妻サラは、ボーデンとオリヴィアの関係に気づいていた。

さらに、ボーデンがマジックに夢中な日は自分が眼中にないことを不満に思い始める。

アンジャーはついにしびれを切らし、ボーデンのパートナーのファロンを誘拐し瞬間移動のタネを聞き出そうとする。

アンジャーはタネの核心となるキーワードと引き換えにファロンを取り返す。

キーワードは「ニコラ・ステラ」

アンジャーはステラに会うため長い旅に出発します。

コロラドのステラの研究所は、エジソン派からの迫害を逃れるため山奥にひっそりとあります。

ステラに会いある装置を見せてもらうもそれは未完成です。

アンジャーは金だけを自分から引き出すため、だまそうとしているのではと疑いだします。

しかし装置は瞬間移動ではなく、完全に同じものを複製するという装置として完成します。

完成した翌日、エジソン派からの迫害が強くなり、ステラは研究所から逃げ出します。

複製装置はアンジャーに託されました。

一方で、ボーデンの妻サラはボーデンの不倫に耐えることができなくなり自殺してしまいました。

結末

アンジャー殺害容疑死刑となるボーデン

アンジャーの瞬間移動マジックの噂を聞きつけたボーデンは、舞台を観に行きます。

その完璧さに驚きこっそり舞台裏に侵入すると、水槽の中でボーデンがもがき苦しんでいます。

ボーデンは必死に救出を試みるもアンジャーは死亡。

ボーデンはそばにいた重要人物として逮捕され、死刑を宣告されてしまいます。

アンジャーは瞬間移動のたびに複製を殺していた

逮捕されたボーデンのもとにコールド卿の代理人なる人物が面会にあらわれます。

このままではボーデンの娘は孤児になるため、コールド卿が引き取ると。

しかし、その代わり瞬間移動のタネを教えてほしいと言います。

ボーデンは悩んだ末、タネと引き換えに娘をコールド卿に託します。

娘を託す日――。

コールド卿がボーデンの前にあらわれます。

コールド卿は死んだはずのアンジャーでした。

アンジャーは妻を殺された復讐にボーデンの娘を殺すために引き取ったのです。

“勝ち”を確信したアンジャーは、ボーデンのマジックのタネを見もせず破いて捨ててしまいます。

アンジャーはニコラ・テスラの複製装置で完璧な瞬間移動マジックを手に入れました。

しかし過去に“そっくりさん”がそうだったように複製した自分の要求が大きくなることを恐れ、マジックのたびに複製した自分を殺していたのです。

ボーデンはたまたまその現場に居合わせ逮捕されてしまったのでした。

ボーデンの瞬間移動のタネは双子の兄弟

ボーデンの死刑は覆ることなく、ボーデンは絞首刑となってしまいました。

カッターがボーデンの娘を心配し、コールド卿のもとを訪れると死んだはずのアンジャーが現れ驚きます。

しかしそこに死んだはずのボーデンが現れ、アンジャーを銃殺し娘を取り返します。

ボーデンのパートナーであるファロンはボーデンの双子の兄弟でした。

ボーデンはそっくりの双子を利用し瞬間移動したように見せていたのです。

ボーデンが指を失ったとき、ファロンも自ら指を落とすというまさに血のにじむ努力がありました。

アンジャーのアシスタントのオリヴィアと愛し合っていたのはファロンの方でした。

妻にも双子であることは言わないという徹底ぶりのため、自分が不倫していることにしていたのです。

『プレステージ』考察

ファロンは複製装置で作られた複製なのか?

答えはNOで、本当に双子であるというのが正解です。

序盤からヒントが出ているので振り返ってみます。

結び方が思い出せないボーデン

カッターの水中脱出マジックで縛り方を変えた結果、マジックは失敗しアンジャーの妻は死んでしまいました。

その後、アンジャーは何度もボーデンにどうやって縛ったか問いただしますが、ボーデンは「覚えていない」とごまかし答えることはありません。

ボーデンは縛り方を覚えていないのではありません。

アンジャーの妻を縛ったのはファロンだから、ボーデンはどうやって縛ったのかわからないのです。

時間軸的にニコラ・ステラはこの時点で複製装置を開発していないので、ボーデンは正真正銘双子ということになります。

なぜキーワードは「テスラ」なのか?

ボーデンがアンジャーに誘拐されたファロンを救うため、瞬間移動のキーワードは「テスラ」だとアンジャーに教えます。

これはなぜだろうか?

アンジャーがテスラのもとにたどり着いたとき、テスラは資金繰りに困っていました。

ボーデンはアンジャーにテスラのために金を使わせるためにとっさに嘘をついたのかもしれません。

一番の謎は紙に書かれた「偉業(プレステージ)」

コールド卿に娘を託すためボーデンは瞬間移動マジックの「偉業(プレステージ)」が書かれた紙をアンジャーに渡します。

しかしアンジャーは、その紙を見ることなく破り捨ててしまいます。

難解と言われる本作ですが、この映画での一番の謎はあの紙には何が書かれていたか?ということではないでしょうか?

「実は私は双子でした」と書かれていたところで、アンジャーが納得したでしょうか?

ファロンが複製か?という議論よりもこっちの謎をいつか解明したいものです。

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