『エイリアン ロムルス』あらすじと考察(ネタバレあり) エイリアンシリーズとフェデ・アルバレス監督の融合

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公開日(日本):2024年9月6日

監督:フェデ・アルバレス

『エイリアン ロムルス』あらすじと評価

・ディズニーの買収後初めての『エイリアン』

・シリーズ過去作へのリスペクトがすごい!

・フェデ・アルバレス監督の得意な展開とエイリアンの融合

エイリアンシリーズとしてはリドリー・スコットがメガホンを取った『エイリアン コヴェナント』から6年ぶりの新作。

20世紀フォックスがディズニーに買収されてからは初めてのエイリアン映画となる。

「これまでのエイリアンシリーズの要素が全て詰まっている」

「過去作への愛がすごい!」

といった評価が見られるように、オリジンの【神聖さ】、2の【ガジェットのかっこよさ】、シリーズを通して描かれる【アンドロイドと人間との関係性】や、『プロメテウス』『コヴェナント』で描かれた、【創作への探求性】も拾われている。

『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレス監督がメガホンとり、静寂から一気に陥れられる恐怖感、【〇〇してはいけない】といった特定のシチュエーションを存分に生かした展開はホラー映画としてもシリーズ随一のハラハラ感が感じられます。

思えば『エイリアン2』でジェームズ・キャメロン監督はオリジンの神聖な雰囲気から一変し、自身がメガホンを取った『ターミネーター』のようなミリタリーの無骨さを前面に押し出すことで大成功を収めている。

『エイリアン ロムルス』ではシリーズへのリスペクトと、フェデ監督の得意な展開の融合が非常に優れたバランスを保っている。

【ロムルス】の意味

ローマ建国神話の【ロムルス】と【レムス】が由来

エイリアンシリーズを通して主人公が搭乗する宇宙船には名前がついており『プロメテウス』からはタイトルにもなっている。

『ロムルス』はローマ建国神話に登場する双子の【ロムルス】と【レムス】が由来となっています。

そのため主人公のレインとアンディはアンドロイドながら【姉弟】ということが強調されているし、タイラーとケイは本物の兄妹です。

さらに、ロムルスとレムスは王位継承者であるヌミトルの孫でありながら、追放され狼に育てられます。

この狼に育てられたというのも幼くして両親を亡くし、苦労しているレインとアンディに重なります。

時系列は『エイリアン』と『エイリアン2』の間の出来事

『プロメテウス』2089年ー2093年~2094年 2012年公開
『エイリアン コヴェナント』2104年 2017年公開
『エイリアン』2122年 1979年公開
『エイリアン ロムルス』 2142年
『エイリアン2』 2179年 1986年公開
『エイリアン3』 2179年 1992年公開
『エイリアン4』 2381年 1997年公開

時系列としては『エイリアン』と『エイリアン2』の間の話だ。

『エイリアン』のラストでリプリーが宇宙空間にゼノモーフを放り出し、コールドスリープをして『エイリアン2』で地球に到着するまでが57年かかるわけですが、実はウェイランド・ユタニ社はリプリーが放り出したゼノモーフを捕獲することに成功した!というのが『エイリアン ロムルス』の始まりです。

宇宙空間に放り出されてことでユタニ社はゼノモーフは死んだと考えたが、やはり生きていて、ロムルス号は生き地獄と化します。

船員はゼノモーフを射殺することに成功するが、ゼノモーフの酸の血液で相討ちとなりロムルス号は廃船と化してしまうのです。

『エイリアン』の公開が1979年で物語としては2122年の未来を描いているのだが、コンピュータが2024年の現代よりもゴツゴツしているし液晶画面という概念がないのでモニターの映像が美しくない。

そこは『ロムルス』でもしっかりと踏襲されていて、2142年の未来を描きながらもガジェットデザインは『エイリアン』と『エイリアン2』の時代に合わせて考証されているのが面白い。

暗い未来からの脱却を目指す若者たち

・ユタニ社に搾取される6人の若者たち

・植民地星ジャクソンは完全に『ブレードランナー』

・廃船からコールドスリープ装置を盗み出せ!

・アンディはポンコツながら廃船のセキュリティを解除できる

・廃船は36時間後に小惑星に衝突する

この廃船に目を付けたのがユタニ社の植民惑星であるジャクソン星に暮らしている6人の若者たちだ。

ジャクソン星は太陽の光が届かず、テラフォーミングも途上のため劣悪な環境で、若者たちは楽園であるユヴァーガへ何とかして脱出したいと考えている。

このジャクソン星は完全に『ブレードランナー』の世界観で、リドリー・スコットの案なのか、フェデ・アルバレスのリドリーへのリスペクトなのかわからないが、ファンにはとっても嬉しい美術デザインになっている。

廃船にはコールドスリープ装置があるはずで、それを盗み出そうというのだ。

レインはそんな犯罪行為はしたくないと考えるが、アンディはポンコツアンドロイドながら、廃船と同じユタニ社製のため廃船のセキュリティを解除できるのだ。

レインはしぶしぶ着いていくことにする。

廃船にはもちろんフェイスハガー

・ケイは妊娠している

・廃船は重力装置が切れているが、システム上数分ごとに起動する

・ビヨンは両親をアンドロイドに殺されている

・ナヴァロがフェイスハガーの犠牲になる

タイラーとビヨン、アンディはすぐにコールドスリープ装置を見つけるが、燃料が足らず、燃料室に向かう。

燃料室には豊富な燃料があるが、フェイスハガーの保管庫でもあり、3人は締め出されてしまう。

レインとナヴァロは救出に向かうが、ドアを開けることが出来ない。

そこで朽ち果てていたアンドロイドの端末をアンディに入れることで、セキュリティを解除することに成功するが、ナヴァロがフェイスハガーの犠牲となってしまう。

さらにアンディにアンドロイドの端末を挿入したことにより運動能力が向上するが【レインの利益のため】という指令が【ユタニ社の利益のため】に書き換えられてしまう。

アンディは勝手な行動をとるビヨンを殺そうとするが、ナヴァロとビヨンは先に船に乗りレインたちを置き去りにして出発してしまう。

しかし、ナヴァロからフェイスハガーを剥がすも、チェストバスターが誕生し、パイロットを失った船は再びロムルスに衝突してしまう。

さらにこの爆発の影響でロムルスの小惑星への衝突が40分に縮小されてしまう。

良いアンドロイドと悪いアンドロイド

・まるで『ドント・ブリーズ』フェデ監督のお家芸

・アンディが途端に悪いアンドロイドに

・ゼノモーフ誕生

・ビヨンが犠牲に

衝突した船からナヴァロ・ケイ・ビヨンをレインたちは救い出しに向かうが、大量のフェイスハガーが行く手を阻む。

フェイスハガーは目がなく体温と音で人間を感じ取るという設定で、ここはフェデ監督のお家芸。静寂とハラハラ感を存分に楽しむことが出来ます。

一方でケイとビヨンは衝突した船から脱出を試みますが、ナヴァロから誕生したチェストバスターはすぐにゼノモーフとなりビヨンが犠牲に。

さらにケイとドア越しに合流するも、ケイのすぐ後ろにはゼノモーフが迫っており、アンディが独断でドアを開けることを拒み、ケイも犠牲になってしまう。

アンディには『エイリアン』で登場した敵側のアンドロイドのアッシュと、『エイリアン2』に登場しリプリーを助けたビショップという2つの役割が与えられていて、ここでもシリーズへのリスペクトが感じられる。

そもそもウェイランド・ユタニ社の目的とは?※ここからネタバレ

・ウェイランド・ユタニ社の目的はゼノモーフから強化薬を採取すること

・ケイは生きている

・タイラーが犠牲に

・息ができないの次は【銃が撃てない】

そもそもユタニ社の目的はゼノモーフを捕らえ、その遺伝子から薬を精製しテラフォーミング途中の劣悪な環境でも生きていけるように人間を進化させることでした。

その薬はすでに完成しており、アンドロイドはアンディに薬をユタニ社へ持ち帰るように指示します。

しかしレインたちが部屋から出た後、実験台となったネズミは皮膚が破裂しています。

レインたちはロムルスから脱出しようとしますが、ゼノモーフの巣の奥からケイの鳴き声が聞こえ助けに向かいます。

ケイは重傷を負っているものの、寄生された形跡もなく助けることに成功しますが、タイラーが犠牲となります。

さらにアンディもゼノモーフの一撃で痙攣し、レインとケイは2人でエレベーターに乗り込みます。

しかしやはりレインはケイをコールドスリープに入るように指示し、アンディを救出しに行きます。

フェデ監督の真骨頂―― 超キモイ生物が誕生

・無重力装置を切り、ゼノモーフを抹殺

・一面は宙に浮いた酸の海に

・強化薬がケイの体内の子供に反応しエイリアン人間が誕生

アンディを救出し、アンドロイドの端末を抜き出しますが、レインたちは大量のゼノモーフに囲まれてしまいます。

さらにここは宇宙船の最下部で銃でゼノモーフを殺しては酸で船体に穴が開いてしまいます。

レインは重力装置を切ること思い出し、無重力の中、エイリアンを撃ち殺し、宙に浮いた酸を抜けて脱出します。

一方でケイはゼノモーフから負った傷に耐えることが出来ずに、強化薬を打ってしまいます。

強化薬は体内の赤ん坊に反応しケイの体内から、長身の半エイリアン人間が誕生してしまいます。

ここは『ドント・ブリーズ』のラストで見せた気持ち悪さと、『プロメテウス』や『コヴェナント』のような創作に対するリスペクトが感じられます。

エイリアンシリーズとフェデ・アルバレス監督の融合でもあり、とても感慨深いです。

アンディは半エイリアン人間に重傷を負わされてしまいますが、レインが貨物室を切り離すことで、半エイリアン人間を宇宙に放り出すことに成功します。

アンディとレインはコールドスリープをしユヴァーガへ向かい終了します。

ここからは勝手な想像

副題が『ロムルス』というだけあり、ローマ建国に関する話が絡んでくると思いましたが、本作は兄弟ということに重きが置かれていました。

ローマ建国神話ではロムルスとレムスは争うことになり、勝ったロムルスが建国しその国がロムルスの名前からローマになったと言われています。

もしレイン(人間)をロムルス、アンディ(アンドロイド)をレムスと仮定するならば、続編では人間とアンドロイドが争い、人間が星を収めるという話が見れるのかもしれません。

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